正接の概要
「正接」(tangent)は、三角関数の一つであり、特定の角度における直角三角形の二つの辺の比を表します。具体的には、正接は直角をはさんだ二つの辺、すなわち「対辺」(直角とは反対側に位置する辺)と「隣辺」(直角に隣接し、対辺に対して垂直な辺)の比と定義されます。
数学的には、角度を θ とすると、正接(tan)は次のように表現されます:
tan(θ) = 対辺/隣辺
この定義から、正接は次のような性質を持っています:
- θ が 0° のとき、tan(θ) は 0 です。これは対辺が 0(つまり、角度が 0° のときの直角三角形は「線」になる)ためです。
- θ が 90° のとき、tan(θ) は定義できません。これは対辺が無限大(つまり、角度が 90° のときの直角三角形は「線」になる)ためです。
- θ が 45° のとき、tan(θ) は 1 です。これは 45° の直角三角形は等脚で、対辺と隣辺が等しくなるためです。
これらの性質から、正接は角度の大きさを比較したり、直角三角形の形状を理解したりするのに役立つ道具となります。また、波動や周期的な現象を理解するための計算にもよく用いられます。
Excelでの扱い
Excelでは、正接の計算を行うために TAN
関数が提供されています。TAN
関数は、指定した角度(ラジアン単位)の正接を計算します。たとえば、45度の正接を求めたい場合は、以下のように記述します。
=TAN(RADIANS(45))
この数式では、まず RADIANS
関数を使用して角度をラジアンに変換し、その結果を TAN
関数に渡して正接を計算します。結果は1となります。
Excelで正接を計算するときは、以下の点に注意してください。
- Excelでは角度はデフォルトでラジアン単位で扱われます。度数法で表現された角度をラジアンに変換するためには、
RADIANS
関数を使用します。 - 正接は90度(またはπ/2 ラジアン)およびその倍数の角度では定義できません。これらの値を引数として
TAN
関数を実行すると、Excelはエラーを返します。
代表的なtangentの値
角度 (度) | tangentの値 | tangentの値 (ルート表記) |
---|---|---|
0° | 0 | 0 |
30° | 0.5774 | 1/√3 |
45° | 1 | 1 |
60° | 1.7321 | √3 |
90° | – | – |
120° | -1.7321 | -√3 |
135° | -1 | -1 |
150° | -0.5774 | -1/√3 |
180° | 0 | 0 |
ただし、90度とその倍数では正接は定義されません。