正割(secant)

三角関数には正弦(sin)、余弦(cos)、正接(tan)のほかにもいくつかの関数があり、その中の一つが「正割(Secant)」で、記号としては「sec」が使われます。

正割は、余弦の逆数として定義されます。つまり、ある角度の正割は、その角度の余弦の値の逆数(つまり1をその余弦の値で割ったもの)となります。数式で表すと、

sec θ = 1/cos θ

となります。

正割の性質は余弦の逆数であるため、余弦が0となる角度(90°や270°など)では正割は定義されません(つまり無限大になります)。

ExcelのSEC関数は、三角関数の「正割(secant)」を計算するための関数です。SEC関数は、引数に与えられた角度(ラジアン単位)(RADIANS関数で求める)の正割(余弦の逆数)を計算します。

以下に、SEC関数の使い方を示します:

=SEC(RADIANS(角度))

古いバージョンのExcelではSEC関数が存在しなかったので

=1/COS(RADIANS(角度))

という計算を用います。

また、SEC関数によって計算される正割の値は、余弦が0のとき(つまり角度が90度や270度などのとき)にはエラー(#DIV/0!)を返します。このことは、正割が余弦の逆数であることから理解できます。余弦の値が0のとき、その逆数は無限大になり、計算ができません。