季節調整

季節調整とは、季節性や周期性を持つ時系列データから、その季節性の影響を除去し、実質的なトレンドや変動を見るための手法です。これにより、例えば、暑い季節にアイスクリームの売上が増えるような季節による影響を除去し、アイスクリームの実質的な売り上げトレンドを見ることができます。

ここでは以下のエクセルサンプル表を基に考察してみます。

年月売上
2014年01月4800
2014年02月3180
2014年03月8640
2014年04月4850
2014年05月5500
2014年06月8080
2014年07月4280
2014年08月5050
2014年09月5050
2014年10月4400
2014年11月6180
2014年12月12000
2015年01月4940
2015年02月3270
2015年03月9250
2015年04月5140
2015年05月6000
2015年06月8310
2015年07月4540
2015年08月5510
2015年09月5250
2015年10月4480
2015年11月6750
2015年12月12470
2016年01月5070
2016年02月3160
2016年03月9680
2016年04月5170
2016年05月6040
2016年06月8360
2016年07月4570
2016年08月5710
2016年09月5440
2016年10月4690
2016年11月6650
2016年12月13050
2017年01月5330
2017年02月3360
2017年03月10490
2017年04月5600
2017年05月6290
2017年06月8880
2017年07月4900
2017年08月6310
2017年09月5660
2017年10月5130
2017年11月7210
2017年12月14000
2018年01月5460
2018年02月3280
2018年03月10640
2018年04月5410
2018年05月6260
2018年06月8660
2018年07月4780
2018年08月6030
2018年09月5350
2018年10月4950
2018年11月7100
2018年12月13650
2019年01月5470
2019年02月3220
2019年03月10340
2019年04月5470
2019年05月5960
2019年06月8840
2019年07月4650
2019年08月6040
2019年09月5360
2019年10月4760
2019年11月7110
2019年12月13000
2020年01月5290
2020年02月3080
2020年03月10720
2020年04月5620
2020年05月5940
2020年06月8810
2020年07月4500
2020年08月5960
2020年09月5560
2020年10月4890
2020年11月6880
2020年12月12830
  1. エクセルの準備:エクセルを開き、上記の表をA1:B85に入力します。ここで、「年月」はA列に、「売上」はB列に入力します(もちろんコピーペーストで結構です)。
  2. 移動平均の計算:12ヶ月の移動平均を計算します。これは、各月の売上とその前11ヶ月の売上(合計12ヶ月分)の平均を取ることで求めます。具体的には、C13セルに =AVERAGE(B2:B13) と入力し、Enterキーを押します。これで、2014年12月の12ヶ月間の移動平均が計算されます。その後、C13セルを選択し、右下のドラッグボックス(選択したセルの右下にある小さな四角)を使って、C14からC85までドラッグします。これにより、各月に対する12ヶ月間の移動平均が計算されます。
  3. 季節指数の計算:次に季節指数を計算します。これは、各月の売上をその月の移動平均で割ったものです。D13セルに =B13/C13 と入力し、Enterキーを押します。そして、D13セルを選択し、右下のドラッグボックスを使って、D14からD85までドラッグします。これにより、各月に対する季節指数が計算されます。平均を約1とすると、その月はどれくらいの量だったのかが比で理解できるようになります。
  4. 季節調整データの計算:最後に、季節調整データを計算します。これは、各月の売上をその月の季節指数で割ったものです。E13セルに =B13/D13 と入力し、Enterキーを押します。そして、E13セルを選択し、右下のドラッグボックスを使って、E14からE85までドラッグします。これにより、各月に対する季節調整データが計算されます。季節に依存せず、データが上昇傾向なのか下降傾向なのかがわかりやすくなります。折れ線グラフにするのもよいですね。

以上の手順により、季節調整データが得られます。このデータを使うことで、季節性の影響を取り除いた上で、売上のトレンドや変動をより正確に把握することができます。

完成表

年月売上移動平均季節指数季節調整データ
2014年12月120006000.82.006001
2015年01月49406012.50.826013
2015年02月32706020.00.546020
2015年03月92506070.81.526071
2015年04月51406095.00.846095
2015年05月60006136.70.986137
2015年06月83106155.81.356156
2015年07月45406177.50.736178
2015年08月55106215.80.896216
2015年09月52506232.50.846233
2015年10月44806239.20.726239
2015年11月67506286.71.076287
2015年12月124706325.81.976326
2016年01月50706336.70.806337
2016年02月31606327.50.506328
2016年03月96806363.31.526363
2016年04月51706365.80.816366
2016年05月60406369.20.956369
2016年06月83606373.31.316373
2016年07月45706375.80.726376
2016年08月57106392.50.896393
2016年09月54406408.30.856408
2016年10月46906425.80.736426
2016年11月66506417.51.046418
2016年12月130506465.82.026466
2017年01月53306487.50.826488
2017年02月33606504.20.526504
2017年03月104906571.71.606572
2017年04月56006607.50.856608
2017年05月62906628.30.956628
2017年06月88806671.71.336672
2017年07月49006699.20.736699
2017年08月63106749.20.936749
2017年09月56606767.50.846768
2017年10月51306804.20.756804
2017年11月72106850.81.056851
2017年12月140006930.02.026930
2018年01月54606940.80.796941
2018年02月32806934.20.476934
2018年03月106406946.71.536947
2018年04月54106930.80.786931
2018年05月62606928.30.906928
2018年06月86606910.01.256910
2018年07月47806900.00.696900
2018年08月60306876.70.886877
2018年09月53506850.80.786851
2018年10月49506835.80.726836
2018年11月71006826.71.046827
2018年12月136506797.52.016798
2019年01月54706798.30.806798
2019年02月32206793.30.476793
2019年03月103406768.31.536768
2019年04月54706773.30.816773
2019年05月59606748.30.886748
2019年06月88406763.31.316763
2019年07月46506752.50.696753
2019年08月60406753.30.896753
2019年09月53606754.20.796754
2019年10月47606738.30.716738
2019年11月71106739.21.066739
2019年12月130006685.01.946685
2020年01月52906670.00.796670
2020年02月30806658.30.466658
2020年03月107206690.01.606690
2020年04月56206702.50.846703
2020年05月59406700.80.896701
2020年06月88106698.31.326698
2020年07月45006685.80.676686
2020年08月59606679.20.896679
2020年09月55606695.80.836696
2020年10月48906706.70.736707
2020年11月68806687.51.036688
2020年12月128306673.31.926673

また、各月の平均季節指数を集計しても面白いデータがとれるでしょう。

各月がどれくらいの売上があるのか、が比でわかるようになります(平均が約1)。
ただしこれをエクセル関数で集計するには「配列数式」という機能を使っていて複雑になります。ここでは説明を割愛します。ピボットテーブルなどで集計するのもよいでしょう。
計算の例) {=AVERAGE(IF(MONTH($A$13:$A$85)=G2,$D$13:$D$85,""))}

2月は平均の約半分、12月は繁忙期であり平均の約2倍の売上がありそうです。

月(G列)平均季節指数(F列)
10.80
20.49
31.55
40.82
50.92
61.31
70.71
80.90
90.82
100.73
111.05
121.98

なお、移動平均を12か月で取ると、データの最初の11ヶ月と最後の11ヶ月については移動平均が計算できない点に注意してください。これは、これらの月は前後のデータが十分にないため、完全な12ヶ月間の平均が取れないためです。これを解決するためにはデータの補間や他の方法を使用しますが、これは一部高度な統計的手法を必要とするため、専門的な知識やソフトウェアが必要となる場合があります。