どのシーンで散布図グラフを使うべきか
散布図グラフは、二つの数値データセット間の関係性を視覚化するのに最も適しています。それぞれの点は一つの観察値を表し、一つの軸(通常はx軸)が一つの変数を、もう一つの軸(通常はy軸)がもう一つの変数を表します。以下は、散布図グラフを使用する主な理由とシーンです。
- 相関の確認:二つの変数間の相関を調査する際、散布図グラフは非常に有用です。たとえば、ある製品の広告費と売上の間に直接的な関係があるかどうかを確認するために、広告費(x軸)と売上(y軸)の散布図グラフを描くことができます。点が右上方向(または左下方向)に傾斜する直線パターンを描く場合、二つの変数間に正の(または負の)相関があることを示します。
- データの分布の視覚化:各変数の値に基づいてデータポイントがプロットされるため、散布図はデータの分布を視覚的に理解するのに役立ちます。この情報は、異常値の検出やデータの範囲の理解に役立ちます。
- 複数のグループの比較:散布図グラフは、異なるグループ間の関係性を比較するのにも役立ちます。例えば、男性と女性の間で身長と体重の関係がどのように異なるかを比較するために、性別ごとに色分けされた散布図を作成することができます。
- トレンドの特定:散布図は、データの傾向やパターンを特定するのに有用です。例えば、年齢と収入の関係をプロットすると、特定の年齢層で収入が増加または減少する傾向を見つけることができます。
散布図グラフは、これらの分析を行う上で非常に直感的で、視覚的に理解しやすいツールです。これらのような特定の分析を行う必要がある場合、散布図は他のグラフよりも適しています。
散布図グラフを使うべき具体的なシーン
以下に、散布図グラフを使用するシーンの具体例をいくつかリストアップします。
- 広告費と売上の関係性分析:企業はマーケティングキャンペーンの効果を評価するために、広告費と売上の間に相関があるかどうかを確認したい場合があります。この場合、x軸に広告費を、y軸に売上を配置し、散布図グラフを作成します。それにより、広告費が増えるにつれて売上が増える(あるいは増えない)かどうかを視覚的に評価できます。
- 身長と体重の関係性分析:医療研究で、患者の身長と体重の間に関連性があるかを調査する場合、散布図グラフを使うと有用です。身長をx軸に、体重をy軸に配置し、各患者をプロットすることで、一般的な関係性を視覚的に捉えることができます。
- 学習時間とテストスコアの関係分析:教育研究で、学生の学習時間とテストスコアの間に関連性があるかどうかを確認する場合も散布図グラフが適しています。x軸に学習時間、y軸にテストスコアを配置することで、学習時間が長いほどテストスコアが高い(または関係がない)ことが視覚的に理解できます。
- 気温とアイスクリームの売上分析:気温とアイスクリームの売上の関係性を分析する場合も散布図グラフが有用です。x軸に気温、y軸にアイスクリームの売上を配置することで、気温が高い日はアイスクリームの売上が上がる傾向がある(またはない)かどうかを明らかにすることができます。
これらのシーンは、散布図グラフが二つの数値変数間の関係性を視覚的に理解するのに特に適している例です。
エクセルで散布図グラフを作成してみよう
まず、散布図グラフの作成に適したサンプル表を作成しましょう。ここでは、学生の学習時間(時間)とテストスコア(得点)の関係性を示すデータを考えます。
学生 | 学習時間 | テストスコア |
---|---|---|
学生A | 2 | 65 |
学生B | 3 | 78 |
学生C | 4 | 90 |
学生D | 1 | 55 |
学生E | 2.5 | 70 |
学生F | 3.5 | 82 |
学生G | 5 | 95 |
学生H | 1.5 | 60 |
学生I | 3 | 80 |
学生J | 4.5 | 88 |
このデータを基に、エクセルで散布図グラフを作る方法を解説します。
- まず、上記のデータをエクセルのセルに入力します。
- 次に、データが入力されたセルを選択します。この場合、「学習時間」及び「テストスコア」のデータが入っているセル範囲を選択します(B1:C11)。
- メニューバーから「挿入」を選択し、「グラフ」のセクションにある「散布図」を選択します。
- 散布図の種類を選択します。通常は、マーカーのみの散布図(最初のオプション)を選択します。
- これで散布図が作成され、学習時間とテストスコアの関係が視覚的に示されます。
- 必要に応じて、グラフのタイトル、軸のラベル、グラフのスタイル等を追加・編集できます。
このような手順で、エクセルを使って散布図グラフを作成することができます。データの種類や目的により、適切なグラフの選択や作成方法は変わりますので、その都度最適な方法を選ぶことが重要です。