移動分析

移動分析とは

「移動平均」または「rolling average」とは、統計学やデータ解析において一般的に使用される手法で、特定の期間にわたるデータセットの平均値を連続的に計算することです。これは主に、短期的な変動を滑らかにするため、または長期的な傾向やパターンを明確にするために使用されます。

移動平均の計算方法は以下の通りです:

  1. 特定の「窓」または期間を選択します(例えば、5日間、10日間、または12ヶ月間など)。
  2. 選択した期間の全データの平均を計算します。
  3. 一つ先の期間に移動し(例えば、次の日または次の月)、その期間のデータの平均を計算します。
  4. このプロセスをデータセット全体に対して繰り返します。

移動平均は、株価分析、経済データ分析、気象データ分析など、さまざまな分野で広く用いられています。これにより、日々の変動や季節の変動などの一時的なノイズを取り除き、データの基本的な傾向やパターンを明らかにすることができます。

移動分析学習のためのサンプル表

Excelを使用して移動平均を計算する場合、以下のようなデータテーブルが必要になるでしょう。ここでは、ある製品の週ごとの販売数を例にして考えてみましょう。また、ここでは3週間の移動平均を計算すると仮定します。

販売数3週間移動平均
1100
2120
3130
4160
5150
6150
7180
8170
9210
10180
11200
12180
  • 第3週目から、「販売数」の列の直近3週間の平均を計算し、「3週間移動平均」の列に入力します。ExcelではAVERAGE関数を使って計算します。例えば第3週の移動平均(C3セル)は =AVERAGE(B2:B4)と入力することで計算できます。
  • これを第4週目から第12週目まで続けます。但し、毎週の計算では直近3週間のデータを用います。つまり、第4週の移動平均は =AVERAGE(B3:B5)、第5週の移動平均は=AVERAGE(B4:B6)といった計算式になります。
  • 最終的な表は以下のようになります。
販売数3週間移動平均
1100
2120
3130116.7
4160136.7
5150146.7
6150153.3
7180160.0
8170166.7
9210186.7
10180186.7
11200196.7
12180186.7

移動平均のグラフサンプル

「週」を横軸、「販売数」を縦棒グラフ、「移動平均」を折れ線グラフにしたのが下図です。

移動平均は縦棒グラフより滑らかな数値変化となります。