移動分析とは
「移動平均」または「rolling average」とは、統計学やデータ解析において一般的に使用される手法で、特定の期間にわたるデータセットの平均値を連続的に計算することです。これは主に、短期的な変動を滑らかにするため、または長期的な傾向やパターンを明確にするために使用されます。
移動平均の計算方法は以下の通りです:
- 特定の「窓」または期間を選択します(例えば、5日間、10日間、または12ヶ月間など)。
- 選択した期間の全データの平均を計算します。
- 一つ先の期間に移動し(例えば、次の日または次の月)、その期間のデータの平均を計算します。
- このプロセスをデータセット全体に対して繰り返します。
移動平均は、株価分析、経済データ分析、気象データ分析など、さまざまな分野で広く用いられています。これにより、日々の変動や季節の変動などの一時的なノイズを取り除き、データの基本的な傾向やパターンを明らかにすることができます。
移動分析学習のためのサンプル表
Excelを使用して移動平均を計算する場合、以下のようなデータテーブルが必要になるでしょう。ここでは、ある製品の週ごとの販売数を例にして考えてみましょう。また、ここでは3週間の移動平均を計算すると仮定します。
週 | 販売数 | 3週間移動平均 |
---|---|---|
1 | 100 | |
2 | 120 | |
3 | 130 | |
4 | 160 | |
5 | 150 | |
6 | 150 | |
7 | 180 | |
8 | 170 | |
9 | 210 | |
10 | 180 | |
11 | 200 | |
12 | 180 |
- 第3週目から、「販売数」の列の直近3週間の平均を計算し、「3週間移動平均」の列に入力します。ExcelではAVERAGE関数を使って計算します。例えば第3週の移動平均(C3セル)は
=AVERAGE(B2:B4)
と入力することで計算できます。 - これを第4週目から第12週目まで続けます。但し、毎週の計算では直近3週間のデータを用います。つまり、第4週の移動平均は
=AVERAGE(B3:B5)
、第5週の移動平均は=AVERAGE(B4:B6)
といった計算式になります。 - 最終的な表は以下のようになります。
週 | 販売数 | 3週間移動平均 |
---|---|---|
1 | 100 | |
2 | 120 | |
3 | 130 | 116.7 |
4 | 160 | 136.7 |
5 | 150 | 146.7 |
6 | 150 | 153.3 |
7 | 180 | 160.0 |
8 | 170 | 166.7 |
9 | 210 | 186.7 |
10 | 180 | 186.7 |
11 | 200 | 196.7 |
12 | 180 | 186.7 |
移動平均のグラフサンプル
「週」を横軸、「販売数」を縦棒グラフ、「移動平均」を折れ線グラフにしたのが下図です。
移動平均は縦棒グラフより滑らかな数値変化となります。