幾何平均(相乗平均)

幾何平均とは

幾何平均は、数値が比率または積として表される場合、または数値が時間を通じて積み重ねて成長する場合に特に有用です。例えば、投資の年間リターンを計算する場合、各年のリターンは前年の資産価値に対する比率として表されます。このような状況では、各年のリターンの幾何平均を計算することで、全体の平均年間リターンを適切に表すことができます。

他には人口成長率を計算する場合などへの利用が考えられます。

ExcelではGEOMEAN関数を用いて計算処理をすることができます。

GEOMEAN関数の確認

例えば、ある投資が3年間でそれぞれ10%、-20%、35%のリターンを得たとしましょう。このときの平均リターンを求めるには幾何平均を用います。なぜなら、投資リターンは時間を通じて複利で積み重ねられるからです。

ExcelのGEOMEAN関数を使うときは、リターンの値を1に足したものを使います(リターンが10%なら1.10、-20%なら0.80)。そして、最後に1を引くことでリターン率を得ます。

具体的には次のようになります:

=GEOMEAN(1.10, 0.80, 1.35) - 1

この式は3年間の平均リターン(幾何平均)を計算します。結果として出力されるのは、年間の平均リターン率です。約5.91%が返りました。

計算処理の確認

ExcelのGEOMEAN関数の計算方法を手動で再現すると以下のようになります:

  1. 各年のリターンに1を加えます:1.10、0.80、1.35
  2. これらの値の積を計算します:1.10 × 0.80 × 1.35 = 1.188
  3. 積の1/3乗(年数の逆数)を計算します:1.188^(1/3) = 1.0591
  4. 最後に1を引きます:1.0591 – 1 = 0.0591

したがって、結果は約0.0591、つまり約5.91%となります。