ビンと階級
ヒストグラムの「ビン」(あるいは「バケット」や「区間」)と度数分布表の「階級」は基本的に同じ概念を指します。どちらもデータを特定の範囲(またはクラス)に分類するための区間を意味します。
例えば、あるデータセットが0から100の範囲の値を持つとき、この範囲を10の幅で分けるとすれば、ビン(または階級)は次のようになります:0-10、10-20、20-30、… 90-100。
ただし、言葉の使い方には注意が必要です。具体的には、ヒストグラムでは「ビン」を、度数分布表では「階級」や「クラス」を用いるのが一般的です。また、ビン(または階級)の範囲をどのように設定するかは、解析するデータや解析の目的によります。これにより、ビンの幅(または階級幅)が広くなるほど粗い分類となり、ビンの幅が狭くなるほど詳細な分類となります。
ビンや階級の数を考えるルール
ヒストグラムや度数分布表でデータを分析する際、ビンや階級の幅を決めるルールは絶対的なものではありませんが、いくつかの一般的なガイドラインや推奨される方法が存在します。以下にいくつかを列挙します:
- スタージェスの公式: この公式はビンの最適な数を決定するためによく使用されます。公式は次のようになります:
k = 1 + 3.322 log(n)
。ここで、kはビンの数で、nはデータの総数です。この公式はデータが正規分布に従っているときに最も適しています。 - ルートルール: このルールはビンの数をデータの総数の平方根に等しくすることを推奨しています。これはデータセットが大きいときに特に便利です。
- リッジルール: このルールはビンの数を次の公式で計算します:
k = 2 * cube_root(n / 3)
。ここでもkはビンの数で、nはデータの総数です。 - “20のルール”: あまり大きなデータセットではない場合、最初に20のビンを作成してデータを見てみるという単純なルールです。
これらのルールはあくまでガイドラインであり、最終的なビンの数や幅は、分析の目的やデータ自体の性質(例えば、データの範囲や分布)によって調整することがあります。
ビンや階級の幅を考えるルール
ビンの幅を決定する基準は一概には存在しません。しかし、一般的には以下のような指針が考えられます。
- データの範囲: データの最小値と最大値の差を考慮して、ビンの幅を設定します。たとえば、スコアが0から100までのテストの結果を分析する場合、ビンの幅を10ポイントに設定すると、各ビンはスコア範囲をカバーする10つの等間隔のグループを表現します。
- ビンの数: スタージェスの公式などを用いて計算されたビンの数に基づいて、ビンの幅を決定します。データの範囲をビンの数で割ることで、各ビンの幅を決定できます。
- データの特性: データの特性や分布によっては、等間隔ではないビンの幅を設定することもあります。たとえば、特定の値の周辺でデータが集中している場合、その部分を詳細に分析するために狭いビンの幅を設定することがあります。
- 解析の目的: ヒストグラムを用いて何を理解しようとしているかによっても、ビンの幅を設定する基準は変わります。例えば、全体的な傾向を見るためだけなら、広いビンの幅でも良いでしょう。しかし、より詳細な情報を求めるなら、狭いビンの幅を設定するほうが適切かもしれません。
このように、ビンの幅を決定するには、データの特性や解析の目的を考慮することが重要です。しかし、ビンの幅をどのように設定すべきかについての絶対的なルールはなく、分析者の判断が求められます。