Excel VBAのAddDataFieldメソッドの解説と使用例
AddDataFieldメソッドは、Excel VBAでピボットテーブルのデータフィールドを追加するために使用されるメソッドです。この記事では、このメソッドの基本的な使用方法とサンプルコードを通じてその具体的な使い方を解説します。
AddDataFieldメソッドの基本的な使用方法
まず、AddDataFieldメソッドの基本的な使用方法について説明します。このメソッドは、ピボットテーブルのPivotFieldsコレクションに対して使用されます。基本的な構文は以下の通りです。
PivotTableObject.PivotFields("フィールド名").AddDataField(PivotTableObject.PivotFields("フィールド名"), "新規フィールド名", xlFunction)
ここで、各パラメータの意味は以下の通りです。
- PivotTableObject: ピボットテーブルオブジェクトを指します。
- フィールド名: データフィールドとして追加したいフィールド名を文字列で指定します。
- 新規フィールド名: 追加するデータフィールドの新たな名前を文字列で指定します。このパラメータはオプションで、省略可能です。
- xlFunction: 追加するデータフィールドで使用する集計関数を指定します。このパラメータもオプションで、省略可能です。
AddDataFieldメソッドの使用例
このセクションでは、AddDataFieldメソッドを使用してピボットテーブルにデータフィールドを追加する具体的な手順を説明します。以下の4つのステップに分けて説明します。
1. 分析元テーブルの作成
最初に、「SheetA」に以下のような分析元となるテーブルを作成します。
地域 | 商品 | 販売数 | 単価 |
---|---|---|---|
東京 | リンゴ | 100 | 200 |
東京 | ミカン | 150 | 180 |
神奈川 | リンゴ | 120 | 210 |
神奈川 | イチゴ | 160 | 280 |
神奈川 | バナナ | 130 | 150 |
静岡 | ミカン | 220 | 190 |
静岡 | バナナ | 180 | 160 |
2. ピボットテーブルの作成
次に、「SheetA」の分析元テーブルから「SheetB」にピボットテーブル「PivotTable1」を作成します。
「挿入」メニューから作成すればよいでしょう。マクロからも作成は可能です。
以下のコードはその例です。
Sub CreatePivotTable()
Dim rng As Range
Dim pt As PivotTable
Set rng = Worksheets("SheetA").Range("A1:D10")
Set pt = Worksheets("SheetB").PivotTableWizard(SourceType:=xlDatabase, SourceData:=rng)
pt.Name = "PivotTable1"
End Sub
3. ピボットテーブルのレイアウト設定
「SheetB」に作成したピボットテーブル「PivotTable1」のレイアウトを設定します。
「商品」を行、「地域」を列、「販売数」を値として設定しておきましょう。
マクロでも設定は可能です。以下のコードは、商品」を行、「地域」を列、「販売数」を値として設定する例です。
Sub LayoutPivotTable()
Dim pt As PivotTable
Set pt = Worksheets("SheetB").PivotTables("PivotTable1")
With pt
.PivotFields("商品").Orientation = xlRowField
.PivotFields("地域").Orientation = xlColumnField
.PivotFields("販売数").Orientation = xlDataField
End With
End Sub
4. AddDataFieldメソッドを使ったピボットテーブルの加工
最後に、AddDataFieldメソッドを使ってピボットテーブル「PivotTable1」に「単価」の平均を追加します。以下のコードはその例です。
Sub AddDataFieldExample()
Dim pt As PivotTable
Set pt = Worksheets("SheetB").PivotTables("PivotTable1")
With pt.PivotFields("単価")
pt.AddDataField .PivotFields("単価"), "平均単価", xlAverage
End With
End Sub
このコードを実行すると、「単価」の平均値を計算した「平均単価」フィールドがピボットテーブルに追加されます。
これがAddDataFieldメソッドの基本的な使用例です。このメソッドを使うことで、既存のピボットテーブルに新たなデータフィールドを追加し、様々な集計を一度に表示することが可能になります。
まとめ
AddDataFieldメソッドは、ピボットテーブルにデータフィールドを追加する際に役立つExcel VBAのメソッドです。このメソッドを使用することで、既存のピボットテーブルに新たなデータフィールドを追加し、その集計関数を指定することが可能になります。
この記事では、AddDataFieldメソッドの基本的な使用方法と、その具体的な使用例を解説しました。これを参考に、Excel VBAを使用してピボットテーブルの操作をより効率的に行うことができます。
ただし、このメソッドを使用する際は、ピボットテーブルの構造や、追加するデータフィールドの内容について十分に理解しておくことが重要です。また、データフィールドの追加や集計関数の指定には、データの特性や分析目的に応じて適切な選択をすることが求められます。