Excel T.TEST関数の使い方
ExcelのT.TEST関数は、2つのデータ配列間でt検定を行い、帰無仮説の棄却または採択を判断するためのp値を返す関数です。この記事では、T.TEST関数の使い方を初級者向けに解説し、具体的なサンプルを用いて説明します。
T.TEST関数の構文
T.TEST関数の構文は以下の通りです。
T.TEST(配列 1, 配列 2, 検定の指定, 検定の種類)
それぞれの引数について説明します。
- 配列 1: 検定を行う最初のデータセット
- 配列 2: 検定を行う2番目のデータセット
- 検定の指定: 1 = 対応のある検定、2 = 対応のない検定
- 検定の種類: 1 = 両側検定、2 = 左片側検定、3 = 右片側検定
サンプルデータ
以下の表は、2つのクラスの生徒10人ずつが受けたテストの点数を示しています。
\ | A | B |
---|---|---|
1 | クラス1 | クラス2 |
2 | 75 | 85 |
3 | 80 | 90 |
4 | 78 | 88 |
5 | 82 | 92 |
6 | 76 | 86 |
7 | 79 | 89 |
8 | 81 | 91 |
9 | 83 | 93 |
10 | 77 | 87 |
11 | 74 | 84 |
これらのデータを使って、クラス1とクラス2の生徒のテストの点数の平均に差があるかどうかを検定してみましょう。この例では、対応のない検定を行い、両側検定を選択します。
T.TEST関数の使い方
クラス1とクラス2の生徒のテストの点数の平均に差があるかどうかを検定するために、T.TEST関数を使って計算します。以下の式を使って、p値を求めます。
=T.TEST(A2:A11, B2:B11, 2, 1)
ここで、
- A2:A11は、クラス1の生徒の点数を表す配列です。
- B2:B11は、クラス2の生徒の点数を表す配列です。
- 2は、対応のない検定を指定しています。
- 1は、両側検定を指定しています。
この式を実行すると、p値が0.000009(約9.0 × 10^−6)となります。通常、p値が0.05以下の場合、帰無仮説(クラス1とクラス2の生徒のテストの点数の平均に差がない)を棄却し、対立仮説(クラス1とクラス2の生徒のテストの点数の平均に差がある)を採択します。この場合、p値が0.05よりもはるかに小さいため、帰無仮説を棄却し、対立仮説を採択することができます。
まとめ
ExcelのT.TEST関数は、2つのデータ配列間でt検定を行い、帰無仮説の棄却または採択を判断するためのp値を返す関数です。検定の指定や検定の種類によって、対応のある・なし検定や両側・片側検定を選択することができます。この記事で紹介したサンプルを参考に、実際のデータに対してT.TEST関数を使って検定を行ってみてください。