ExcelのSLOPE関数の使い方
この記事では、Excelの「SLOPE関数」の使い方について解説します。SLOPE関数は、2つのデータセット間の線形回帰の傾きを計算するための関数です。これにより、データ間の相関を評価することができます。
SLOPE関数の構文
SLOPE関数の構文は以下のとおりです。
SLOPE(既知の y, 既知の x)
引数の説明:
- 既知の y:独立変数(x)に対応する従属変数(y)のデータセットです。
- 既知の x:従属変数(y)に対応する独立変数(x)のデータセットです。
注意:既知の y と 既知の x は同じ数のデータポイントを含まなければなりません。
SLOPE関数の使用例
以下に、SLOPE関数を使用して2つのデータセット間の線形回帰の傾きを計算する例を示します。
例として、次の表に示す広告費と売上データを使用します。
広告費 (万円) | 売上 (万円) |
---|---|
50 | 200 |
60 | 220 |
70 | 240 |
80 | 260 |
上記のデータセットの線形回帰の傾きを計算するには、SLOPE関数を使用して以下のように入力します。
=SLOPE(B2:B5, A2:A5)
この式を実行すると、傾きは約 2 になります。これは、広告費が1万円増加すると、売上が約2万円増加することを示しています。
SLOPE関数の注意点
SLOPE関数を使用する際に注意すべき点を以下に挙げます。
- 既知の y と 既知の x のデータポイントの数が一致していることを確認してください。一致していない場合、SLOPE関数はエラーを返します。
- SLOPE関数は、線形回帰の傾きを計算するために使用されますが、実際のデータが線形関係に従っているかどうかを判断するには、散布図を描いて視覚的に確認することが有効です。
- SLOPE関数で計算された傾きは、相関関係の強さを示すものではありません。相関関係の強さを評価するには、CORREL関数を使用して相関係数を計算してください。
- 負の傾きが計算された場合、それは2つのデータセット間に負の相関が存在することを示しています。すなわち、一方の値が増加すると、もう一方の値が減少することを意味します。
これで、ExcelのSLOPE関数の使い方についての解説を終わります。SLOPE関数を使用して、線形回帰の傾きを計算し、データ間の相関を評価することができます。関数の適切な使い方を身につけることで、データ分析の幅を広げることができるでしょう。