ExcelのLOGNORM.DIST関数の使い方
ExcelのLOGNORM.DIST関数は、対数正規分布の確率密度関数や累積分布関数を計算するための関数です。この記事では、LOGNORM.DIST関数の引数と使い方について初級者向けに解説し、サンプルを用いて実際の計算方法を紹介します。
LOGNORM.DIST関数の構文
LOGNORM.DIST関数の構文は以下の通りです。
LOGNORM.DIST(x, 平均, 標準偏差, 関数形式)
それぞれの引数について解説します。
- x: 対数正規分布の確率密度関数や累積分布関数を計算する値
- 平均: 対数正規分布の平均(対数化された値)
- 標準偏差: 対数正規分布の標準偏差(対数化された値)
- 関数形式: 確率密度関数を求める場合はFALSE、累積分布関数を求める場合はTRUE
確率密度関数を求める例
対数正規分布の確率密度関数を求める場合は、関数形式引数にFALSEを指定します。例として、平均が2、標準偏差が0.5の対数正規分布において、x=5の確率密度を求めます。
=LOGNORM.DIST(5, 2, 0.5, FALSE)
この式を入力すると、約0.025という値が返ります。これは、平均が2、標準偏差が0.5の対数正規分布において、x=5での確率密度が約0.025であることを意味します。
累積分布関数を求める例
対数正規分布の累積分布関数を求める場合は、関数形式引数にTRUEを指定します。例として、平均が2、標準偏差が0.5の対数正規分布において、x=5までの累積確率を求めます。
=LOGNORM.DIST(5, 2, 0.5, TRUE)
この式を入力すると、約0.964という値が返ります。これは、平均が2、標準偏差が0.5の対数正規分布において、x=5までの累積確率が約0.964であることを意味します。
実際のデータを使った例
次に、実際のデータを使ってLOGNORM.DIST関数の計算方法を見ていきます。
以下の表に示すように、A列に製品の価格、B列にその価格の出現回数が記録されているとします。
\ | A | B |
---|---|---|
1 | 価格 | 回数 |
2 | 10 | 3 |
3 | 20 | 5 |
4 | 30 | 8 |
このデータから、対数正規分布の平均と標準偏差を計算します。まず、A2:A4の値の対数を計算し、それぞれC2:C4に格納します。次に、C2:C4の平均を求め、D1に格納します。同様に、C2:C4の標準偏差を求め、E1に格納します。
C2: =LN(A2) C3: =LN(A3) C4: =LN(A4) D1: =AVERAGE(C2:C4) E1: =STDEV.S(C2:C4)
以上の式を入力すると、D1に約2.995(平均)、E1に約0.379(標準偏差)が得られます。これらの値を用いて、価格が40の製品の出現確率(累積分布関数)を求めます。
=LOGNORM.DIST(40, D1, E1, TRUE)
この式を入力すると、約0.998という値が返ります。これは、価格が40までの製品の出現確率が約0.998であることを意味します。
まとめ
ExcelのLOGNORM.DIST関数を使うことで、対数正規分布の確率密度関数や累積分布関数を簡単に計算することができます。引数には、計算対象の値(x)、平均、標準偏差、関数形式(確率密度関数の場合はFALSE、累積分布関数の場合はTRUE)を指定します。実際のデータを使って計算する際には、まず対象データの対数を取り、その平均と標準偏差を求めます。その後、LOGNORM.DIST関数によって確率密度関数や累積分布関数を計算できます。
この解説記事を通じて、ExcelのLOGNORM.DIST関数の使い方を理解し、実際のデータ分析や予測に役立てることができることを願っています。関数の引数や計算方法をマスターし、対数正規分布を利用したデータ分析を効果的に行いましょう。