ExcelのLINEST関数の使い方
ExcelのLINEST関数は、指定したデータセットに対して線形回帰分析を行い、回帰直線の係数や切片などの情報を提供する関数です。本記事では、LINEST関数の使い方や引数について、初級者向けに解説します。
LINEST関数の構文
LINEST関数の構文は以下の通りです。
LINEST(既知の y, [既知の x], [定数], [補正])
引数の説明は以下の通りです。
- 既知の y: 回帰分析の目的変数(従属変数)となる数値データのセル範囲を指定します。
- 既知の x (オプション): 回帰分析の説明変数(独立変数)となる数値データのセル範囲を指定します。省略すると、既知の y と同じサイズの連番が使用されます。
- 定数 (オプション): 線形回帰モデルの切片がゼロになるようにするかどうかを指定します。TRUEまたは省略すると切片が計算され、FALSEの場合は切片がゼロになります。
- 補正 (オプション): 追加の回帰統計を返すかどうかを指定します。TRUEの場合は追加の統計情報を返し、FALSEまたは省略すると返しません。
LINEST関数の使い方
次のようなデータセットを考えます。
\ | A | B |
---|---|---|
1 | 広告費 | 売上 |
2 | 1000 | 6000 |
3 | 1500 | 8000 |
4 | 2000 | 10000 |
5 | 2500 | 11000 |
このデータセットでは、広告費(A列)と売上(B列)の関係を調べたいとします。LINEST関数を使って、広告費による売上の線形回帰分析を行います。
次のように計算式を入力し、回帰直線の係数と切片を求めます。
=LINEST(B2:B5, A2:A5)
この計算式を適用したセルには、回帰直線の係数(傾き)が表示されます。切片は、その右隣のセルに表示されます。例えば、計算式をD2セルに入力した場合、D2セルには係数が、E2セルには切片が表示されます。
さらに、補正引数をTRUEに設定して、追加の回帰統計情報を求めることもできます。
=LINEST(B2:B5, A2:A5, TRUE, TRUE)
この場合、追加の統計情報が下方向と右方向に拡張された範囲に表示されます。例えば、計算式をD2セルに入力した場合、以下のような情報が得られます。
- D2: 回帰直線の係数(傾き)
- E2: 回帰直線の切片
- D3: 決定係数(R^2)
- E3: 標準誤差
- D4: F統計量
- E4: 自由度(残差)
- D5: 回帰係数の標準誤差
- E5: 切片の標準誤差
これらの情報を使って、回帰分析の結果を詳細に評価することができます。
まとめ
ExcelのLINEST関数は、線形回帰分析を行い、回帰直線の係数や切片などの情報を提供する便利な関数です。本記事では、LINEST関数の使い方や引数について、初級者向けに解説しました。データ分析の際に、LINEST関数を活用して、データ間の関係性を調べることができます。