HYPGEOM.DIST関数の詳細解説(Excel)

ExcelのHYPGEOM.DIST関数の使い方

ExcelのHYPGEOM.DIST関数は、超幾何分布の確率を計算する際に使用されます。超幾何分布は、有限の母集団から無作為に標本を抽出した際に、成功数が特定の値になる確率を表すものです。この記事では、HYPGEOM.DIST関数の使い方と具体的なサンプルを通じて、初級者でもわかるように解説していきます。

HYPGEOM.DIST関数の構文

HYPGEOM.DIST関数の構文は以下のようになっています。

HYPGEOM.DIST(標本の成功数,標本数,母集団の成功数,母集団の大きさ,関数形式)

それぞれの引数の意味を解説します。

  • 標本の成功数:無作為に抽出した標本の中で、成功したものの数です。
  • 標本数:無作為に抽出した標本の総数です。
  • 母集団の成功数:母集団の中で成功したものの総数です。
  • 母集団の大きさ:母集団の総数です。
  • 関数形式:確率密度関数(FALSE)か累積分布関数(TRUE)かを指定します。確率密度関数の場合は、指定した成功数が発生する確率を計算します。累積分布関数の場合は、成功数が指定した値以下となる確率を計算します。

具体的なサンプル

例として、次のような状況を考えましょう。ある工場で、100個の部品が製造されました。そのうち10個が欠陥品であることがわかっています。品質管理のために20個の部品を無作為に抽出して検査する場合、2個の欠陥品が含まれる確率を求めたいとします。

HYPGEOM.DIST関数を使って、この確率を求めることができます。

=HYPGEOM.DIST(2, 20, 10, 100, FALSE)

引数の説明は以下の通りです。

  • 標本の成功数:欠陥品が2個含まれることを求めるので、2を指定します。
  • 標本数:検査する部品の数が20個なので、20を指定します。
  • 母集団の成功数:欠陥品の総数が10個なので、10を指定します。
  • 母集団の大きさ:部品の総数が100個なので、100を指定します。
  • 関数形式:確率密度関数を求めたいので、FALSEを指定します。

この計算式をExcelに入力すると、約0.3411という値が返ります。つまり、20個の部品を無作為に抽出して検査する場合、2個の欠陥品が含まれる確率は約34.11%となります。

累積分布関数の例

次に、欠陥品が2個以下である確率を求めたい場合は、関数形式にTRUEを指定して累積分布関数を使用します。

=HYPGEOM.DIST(2, 20, 10, 100, TRUE)

この計算式をExcelに入力すると、約0.8979という値が返ります。つまり、20個の部品を無作為に抽出して検査する場合、欠陥品が2個以下である確率は約89.79%となります。

まとめ

ExcelのHYPGEOM.DIST関数は、超幾何分布の確率を計算する際に便利な関数です。引数に標本の成功数、標本数、母集団の成功数、母集団の大きさ、関数形式を指定することで、簡単に確率を求めることができます。具体的なサンプルを通じて、初級者でも理解しやすいように解説しましたので、ぜひ実際の問題に応用してみてください。