ExcelでGAMMA.INV関数を使ってガンマ分布の逆関数を求める方法
この記事では、Excelの「GAMMA.INV関数」の使い方について解説します。GAMMA.INV関数は、ガンマ分布の逆関数を求める際に使用されます。この関数を使いこなせば、統計学や確率論におけるガンマ分布を利用した問題を簡単に解くことができます。
GAMMA.INV関数の構文
GAMMA.INV関数の構文は以下の通りです。
GAMMA.INV(確率, α, β)
各引数の意味は次のとおりです。
- 確率
- ガンマ分布の累積分布関数の値で、0から1の間の数値です。
- α
- ガンマ分布の形状パラメータで、正の数値です。
- β
- ガンマ分布の尺度パラメータで、正の数値です。
GAMMA.INV関数の使用例
それでは、GAMMA.INV関数の使用例を見ていきましょう。
α = 3、β = 2のガンマ分布において、累積分布関数の値が0.5となる値を求めたい場合、次のように入力します。
=GAMMA.INV(0.5, 3, 2)
この計算式を実行すると、約5.32という値が得られます。これは、α = 3、β = 2のガンマ分布において、累積分布関数の値が0.5となる点が、約5.32であることを意味しています。
実用的な例:ガンマ分布を利用したリードタイム予測
製品の生産工程において、リードタイム(製品が注文されてから出荷されるまでの時間)の予測が重要です。リードタイムがガンマ分布に従うと仮定した場合、GAMMA.INV関数を使って確率に応じたリードタイムを予測することができます。
以下の表は、過去のデータから算出されたαとβの値を用いて、リードタイムの予測を行う例です。
\ | A | B | C |
---|---|---|---|
1 | 製品名 | α | β |
2 | 製品A | 3 | 2 |
3 | 製品B | 4 | 1.5 |
4 | 製品C | 5 | 1 |
この表を元に、各製品について、リードタイムが50%、80%、95%となる確率に応じた予測値を求めたいとします。GAMMA.INV関数を使って、次のような計算式を入力します。
D2: =GAMMA.INV(0.5, B2, C2) E2: =GAMMA.INV(0.8, B2, C2) F2: =GAMMA.INV(0.95, B2, C2)
同様に、製品Bと製品Cについても計算します。
D3: =GAMMA.INV(0.5, B3, C3) E3: =GAMMA.INV(0.8, B3, C3) F3: =GAMMA.INV(0.95, B3, C3) D4: =GAMMA.INV(0.5, B4, C4) E4: =GAMMA.INV(0.8, B4, C4) F4: =GAMMA.INV(0.95, B4, C4)
この計算により、各製品のリードタイムが50%、80%、95%となる確率に応じた予測値が求められます。これらの値を使って、生産計画や在庫管理を最適化することができます。
まとめ
ExcelのGAMMA.INV関数を使うと、ガンマ分布の逆関数を簡単に求めることができます。この関数は、統計学や確率論でガンマ分布を利用する際に非常に便利です。リードタイム予測のような実用的な例を通じて、GAMMA.INV関数の活用方法を学びました。今後もこの関数を使って、様々な問題を解決していきましょう。