Excel CHISQ.INV関数の使い方と解説
統計解析において、カイ二乗分布は重要な役割を果たします。Excelでは、カイ二乗分布に関連する様々な関数を提供しています。今回は、CHISQ.INV関数の使い方について解説します。
CHISQ.INV関数とは
CHISQ.INV関数は、指定した確率および自由度に基づいてカイ二乗分布の逆関数を計算します。逆関数とは、累積分布関数の逆を意味し、累積分布関数で得られる確率に対応するx値を求めることができます。
書式
CHISQ.INV関数の書式は以下の通りです。
CHISQ.INV(確率, 自由度)
引数の説明
- 確率:カイ二乗分布の逆関数を求めるための確率です。0から1までの範囲の数値を指定します。
- 自由度:カイ二乗分布の自由度です。自由度は通常、観測されたデータから計算されます。正の整数を指定します。
サンプルと解説
以下の例では、カイ二乗分布の逆関数を計算し、確率0.95に対応するカイ二乗値を求めます。自由度は5とします。
=CHISQ.INV(0.95, 5)
この式をExcelのセルに入力すると、カイ二乗値が「11.0705」と計算されます。
カイ二乗検定や信頼区間の計算において、このようにしてカイ二乗分布の逆関数を求めることができます。
応用例:信頼区間の計算
CHISQ.INV関数は、信頼区間の計算にも応用できます。例えば、ある製品の不良率の信頼区間を求める場合を考えます。以下のデータが与えられているとします。
\ | A | B |
---|---|---|
1 | 不良品数 | 4 |
2 | 検査数 | 100 |
3 | 信頼係数 | 0.95 |
不良品数が4個、検査数が100個の場合、不良率の信頼区間を計算することができます。信頼係数は0.95(95%信頼区間)とします。
信頼区間を求めるためには、次のような式を用います。
下限値 = CHISQ.INV(1 – 信頼係数/2, 2 * 不良品数) / (2 * 検査数)
上限値 = CHISQ.INV(信頼係数/2, 2 * (不良品数 + 1)) / (2 * 検査数)
この例では、下限値と上限値を計算する式は以下のようになります。
=CHISQ.INV(1 - 0.95/2, 2 * 4) / (2 * 100) // 下限値 =CHISQ.INV(0.95/2, 2 * (4 + 1)) / (2 * 100) // 上限値
Excelに上記の式を入力すると、不良率の95%信頼区間が「0.0099(0.99%)」から「0.0737(7.37%)」と計算されます。これにより、この製品の不良率が95%の確率でこの範囲に含まれることがわかります。
CHISQ.INV関数を利用することで、統計解析や信頼区間の計算など、様々な応用が可能です。Excelを使ってデータ解析を行う際に、ぜひ活用してみてください。