ExcelのMINVERSE関数の使い方について解説
Excelには、数学の分野で行列計算を行うための便利な関数がいくつか用意されています。その中のひとつが、逆行列を求めることができる「MINVERSE関数」です。この記事では、MINVERSE関数の使い方を詳しく解説していきます。
MINVERSE関数とは
MINVERSE関数は、指定した配列(行列)の逆行列を求める関数です。正方行列であり、かつ行列式が0でない行列に対して、逆行列を計算できます。逆行列は、行列の積が単位行列になるような行列であり、数学や物理学などの分野で幅広く利用されています。
構文
MINVERSE関数の構文は以下のとおりです。
MINVERSE(配列)
引数の説明をします。
- 配列
- 逆行列を求めたい正方行列を指定します。範囲の参照または数値の配列を指定できます。
注意点
MINVERSE関数を使用する際の注意点を以下にまとめます。
- 指定した配列が正方行列であることを確認してください。
- 指定した配列の行列式が0でないことを確認してください。行列式が0の場合、逆行列は存在しません。
- MINVERSE関数は、配列関数として入力する必要があります。配列関数の入力方法は、後述の「サンプル」の項で説明します。
サンプル
ここでは、MINVERSE関数を使って逆行列を求める具体的な例を示します。
次の表に示す3×3の正方行列Aを考えます。
\ | A | B | C |
---|---|---|---|
1 | 1 | 2 | 3 |
2 | 0 | 4 | 5 |
3 | 1 | 0 | 6 |
行列Aの逆行列を求めるには、MINVERSE関数を使います。まず、結果を表示させたい範囲を選択します。この例では、E1:G3の範囲を選択します。
次に、以下の式を入力し、配列関数として入力します。
=MINVERSE(A1:C3)
配列関数の入力方法は以下のとおりです。
- 式を入力するセルに式を入力します。
- 式を入力した状態で、Ctrl+Shift+Enterキーを押します。
- セルに波括弧「{」と「}」が追加され、配列関数が正しく入力されます。
これで、E1:G3の範囲に行列Aの逆行列が表示されます。
\ | E | F | G |
---|---|---|---|
1 | 1.5 | -0.5 | 0 |
2 | 0.25 | 0.25 | -0.125 |
3 | -0.33333 | 0.16667 | 0.16667 |
行列Aと計算結果の行列をかけると、単位行列になることが確認できます。
まとめ
ExcelのMINVERSE関数は、行列の逆行列を求めるための便利な関数です。ただし、配列が正方行列であることや、行列式が0でないことを確認する必要があります。また、MINVERSE関数は配列関数として入力する点に注意してください。これらの点を押さえつつ、行列計算を行う際にMINVERSE関数を活用しましょう。