PV関数の詳細解説(Excel)

ExcelのPV関数の使い方

ExcelのPV関数は、現在価値(Present Value)を計算するための関数です。投資やローンのシミュレーションを行う際に、将来のキャッシュフローの現在価値を求めることができます。

PV関数の構文

PV関数の構文は以下の通りです。

PV(利率, 期間, 定期支払額, [将来価値], [支払期日])

引数の説明

  • 利率:1期間あたりの割引率です。年率で表される場合は、月ごとに計算する場合は年率を12で割ります。
  • 期間:投資やローンの総期間(通常、月数や年数)です。
  • 定期支払額:1期間ごとの支払額です。ローン返済の場合は、支払いが行われる金額を負の値で入力します。
  • [将来価値]:オプションで、投資やローンの最後に期待される将来価値を指定します。デフォルトでは0です。
  • [支払期日]:オプションで、支払いが期間の始め(1)か終わり(0)に行われるかを指定します。デフォルトでは0(終わり)です。

サンプルと解説

例として、年利5%の年金投資を10年間行う場合を考えます。年間の支払額は10万円で、投資期間終了時の将来価値は0円とします。この場合、PV関数を使って現在価値を計算してみましょう。

=PV(0.05, 10, -100000)

この計算式によって、現在価値は約772,173円となります。

別の例:ローンの現在価値

今度は、月々の返済額が5万円で、5年間返済するローンを考えます。年利は3%で、毎月の支払いが行われるため、月利を計算する必要があります。月利は年利を12で割ったものです。

=PV(0.03/12, 5*12, -50000)

この計算式によって、ローンの現在価値は約2,693,034円となります。つまり、5年間で5万円を毎月返済するローンは、現在価値で約2,693,034円に相当します。

支払期日の設定例

支払期日を設定することで、支払いが期間の始めに行われる場合と終わりに行われる場合の現在価値を比較できます。同じ条件で支払期日を変更した場合の現在価値を計算してみましょう。

=PV(0.03/12, 5*12, -50000, 0, 1)

この計算式によって、支払いが期間の始めに行われる場合の現在価値は約2,782,618円となります。支払期日を変更することで、現在価値が異なることがわかります。

まとめ

ExcelのPV関数は、投資やローンの現在価値を計算するために使用される関数です。利率、期間、定期支払額などの引数を指定することで、現在価値を求めることができます。さらに、支払期日を指定することで、支払いが期間の始めか終わりに行われる場合の現在価値を比較することも可能です。この関数を使って、投資やローンのシミュレーションを行い、適切な判断を下すことができます。