NOMINAL関数の詳細解説(Excel)

ExcelのNOMINAL関数の使い方

ExcelのNOMINAL関数は、実効利率から名目利率を求めるために使用される関数です。名目利率は、複利計算が考慮されていない単純な利率であり、実効利率は複利計算が含まれている利率です。NOMINAL関数は、投資やローンの分析において、実効利率を名目利率に変換する際に役立ちます。

NOMINAL関数の構文

NOMINAL関数の構文は以下の通りです。

NOMINAL(実効利率, 複利計算回数)

この関数には2つの引数があります。それぞれの引数の説明は以下の通りです。

  • 実効利率:年間の実効利率を指定します。実効利率は、複利計算が考慮されている利率です。この引数は、割合(例:0.1は10%)またはパーセンテージ(例:10%)で指定できます。
  • 複利計算回数:1年間に複利計算が行われる回数を指定します。これは、通常、年間、四半期、月間、週間などの期間で指定されます。例えば、年間で複利計算が行われる場合は、この引数に1を指定します。四半期で複利計算が行われる場合は、この引数に4を指定します。

NOMINAL関数の使用例

次の例では、年間実効利率が12%で、四半期ごとに複利計算が行われる場合の名目利率を求めます。

=NOMINAL(0.12, 4)

この計算式を使用すると、名目利率がおおよそ11.39%という値が返ります。

実践的な例:投資の名目利率の比較

以下の表は、異なる実効利率と複利計算回数を持つ3つの投資案件が示されています。

ABC
1投資案件実効利率複利計算回数
2案件10.11
3案件20.14
4案件30.1212

それぞれの投資案件の名目利率を求めるには、以下の計算式を使用します。

案件1:=NOMINAL(B2, C2)
案件2:=NOMINAL(B3, C3)
案件3:=NOMINAL(B4, C4)

これにより、以下の名目利率が得られます。

  • 案件1:10.00%
  • 案件2:9.65%
  • 案件3:11.39%

この例から、名目利率が最も高い投資案件は「案件3」であることがわかります。しかし、実効利率と複利計算回数を考慮すると、どの投資案件が最も良い選択であるかは異なる場合があります。名目利率は、投資案件を比較する際の一つの指標として利用できますが、最終的な投資判断には、他の要因も考慮する必要があります。

まとめ

ExcelのNOMINAL関数は、実効利率から名目利率を求めるために使用されます。この関数は、投資やローンの分析において、実効利率を名目利率に変換する際に役立ちます。構文は「NOMINAL(実効利率, 複利計算回数)」であり、実効利率と複利計算回数を引数として指定します。名目利率は、投資案件を比較する際の一つの指標として利用できますが、最終的な投資判断には、他の要因も考慮する必要があります。