ExcelのIRR関数の使い方とサンプル
この記事では、Excelの「IRR関数」の使い方について解説します。IRR関数は、投資の内部収益率(Internal Rate of Return)を計算するために使用されます。内部収益率は、投資の収益性を評価する際に役立つ指標です。
IRR関数の構文
IRR関数の構文は以下の通りです。
IRR(値, [推定値])
それぞれの引数について解説します。
- 値:収益や支出が含まれるセル範囲を指定します。最初の値は、通常、負の値(投資額)を表します。それ以降の値は、収益(正の値)または支出(負の値)を表すことが一般的です。
- 推定値 [省略可能]:内部収益率の初期推定値を指定します。省略した場合、デフォルトの推定値は0.1(10%)になります。
IRR関数の簡単なサンプル
例として、以下のような投資プロジェクトの収益があるとします。
\ | A | B |
---|---|---|
1 | 年 | 収益 |
2 | 0 | -500000 |
3 | 1 | 200000 |
4 | 2 | 300000 |
5 | 3 | 400000 |
このプロジェクトのIRRを計算するには、以下の式を入力します。
=IRR(B2:B5)
この計算により、IRRがおおよそ 0.3936(39.36%)であることがわかります。これは、プロジェクトの収益性が高いことを示しています。
推定値を指定する場合のIRR関数の使用例
推定値を指定してIRR関数を使う場合、以下のように計算式を入力します。
=IRR(B2:B5, 0.2)
この場合、内部収益率の初期推定値を0.2(20%)として計算を行います。しかし、この例では推定値の変更が結果に大きな影響を与えないため、先ほどと同様に、IRRはおおよそ 0.3936(39.36%)となります。
IRR関数の注意点
IRR関数を使用する際には、以下の注意点を押さえておきましょう。
- IRR関数は、収益と支出が交互に発生する場合に最も適しています。収益と支出がランダムな順序で発生する場合、IRR関数の結果は解釈が難しくなることがあります。
- 複数のIRRが存在する場合、IRR関数は最も近い解を返すため、他の解が見落とされる可能性があります。そのため、IRR関数の結果には注意して対処する必要があります。
- IRR関数は、投資の収益性を比較する際に有用ですが、他の指標(例えば、正味現在価値(NPV))と併用することで、より正確な評価が可能になります。
まとめ
この記事では、ExcelのIRR関数の使い方について解説しました。IRR関数は、投資の内部収益率を計算するための便利な関数です。しかし、IRR関数の結果を適切に解釈し、他の指標と併用することで、投資の収益性をより正確に評価することができます。