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ここでは「第6章 情報セキュリティとコンプライアンスの概要」のまとめと想定問題を公開いたします。事前に公式テキストは上記リンクからダウンロードしてください。
第6章では、情報社会における情報セキュリティの基本と法令遵守(コンプライアンス)について、ビジネス実務に即した形で幅広く解説されています。内容は、電子メールやホームページの扱いから、電子商取引、インターネット活用時の注意点まで多岐にわたります。
第1節:電子メールについて
電子メールはビジネス上の最重要ツールであり、電話とは異なりリアルタイム性がなく、誰に転送されるかわからないなど、特有の注意点があります。全ての内容が記録として残るため、一度送信されたメールの内容が問題となることもしばしばです。
そのため、メール利用には十分な教育が不可欠です。電子メール利用にあたっては、以下の点に留意すべきです:
- メールソフトの選定と運用ルール
- 業務用と私用メールの区別
- 営業機密の取り扱い
- メーリングリストの使用可否
- 大量送信や誤送信時の対応方法
また、ウイルスの感染経路として最も多いのがメールであるため、セキュリティ設定の徹底、添付ファイルの扱い、拡張子表示の設定、怪しいファイルの見分け方などの基本対策が紹介されています。添付ファイルの拡張子(.exe, .pif, .batなど)にも注意が必要です。
第2節:ホームページについて
企業や個人がホームページを運営する際には、様々な法律の遵守が求められます。以下の法律と注意点が挙げられます:
- 電子契約法:契約の成立はメールの”到達時”とされ、操作ミス防止の仕組みが必要
- 電子署名法:民間認証局による電子署名は自筆・押印と同等の効力
- 消費者契約法:不当な契約条項は無効、誤認・困惑による契約は取り消し可能
- 個人情報保護法:個人情報の適正な取り扱い、ポリシー表示の義務
- 特定商取引法・特定電子メール法:表示義務や迷惑メール防止の規定
- 景品表示法・独占禁止法:プレゼントや懸賞の制限
- 不正競争防止法:類似ドメインの使用に関する制限
- IT書面一括法:一定条件下で電子書面の利用を認可
- 薬事法:健康食品等の誤認表示の禁止
また、免許や認可が必要な業種(酒類販売、不動産仲介、薬局等)に関しては、インターネット上でも実店舗と同様に法的義務が生じることが強調されています。
第3節:電子商取引について
電子商取引(EC)では、現金の移動を伴うあらゆる活動が「取引」と見なされ、これを証明するための書類(証憑)が重要です。証憑としては、注文書、請求書、納品書、領収書、契約書などが挙げられます。
証憑には以下の項目が求められます:
- 日付、金額、取引相手の名称と所在地
- 取引内容の具体的な記述
- 自社の名称(「上様」などの曖昧な記載は不可)
電子帳簿保存法やe-文書法の整備により、スキャナ保存やタイムスタンプの導入によって証憑の電子保存も可能になってきました。ASP(クラウド)サービスを利用している場合には、保存義務の所在や契約内容の確認も必要です。
第4節:インターネットの活用について
情報を社内で共有する際には、著作権の問題に注意が必要です。無断転載や画像、音楽の不正使用は法的リスクを伴います。正しい方法は、URLを共有したり、出典を明記するなどです。
また、ネットを利用するうえでのセキュリティ上の主な脅威として、次の5つが挙げられます:
- コンピュータウィルス
- セキュリティホール(脆弱性)
- スパイウェア
- フィッシング詐欺
- 無線LAN経由の情報漏洩
特にスパイウェアやフィッシング詐欺は巧妙化しており、ソフトウェアのインストールやメールの開封には細心の注意が求められます。最新のウイルス対策ソフトを用い、自己防衛意識を持つことが重要です。
確認問題
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