第5章+++デジタルデータの連携

日商PC検定では知識科目公式PDFテキストとして「ネット社会のデジタル仕事術」が無料公開されております。

ここでは「第5章 デジタルデータの連携」のまとめと想定問題を公開いたします。事前に公式テキストは上記リンクからダウンロードしてください。

第5章は、業務の中で生まれるさまざまなデータを効率よく活用するために、異なるソフトウェアやシステム間でデータを連携(インターオペラビリティ)させる方法について説明しています。

第5章+++デジタルデータの連携

1. データ活用の意味

企業活動ではさまざまなデータが発生します。企業活動の基本は「製造・提供」、「販売」、「事務・会計」の3機能に分かれます。販売活動の目的は販売量拡大、適正利潤の確保、迅速な回収と回転率の向上です。

販売する対象は業種により異なり、製品(製造業)、商品(卸・小売業)、サービス(サービス業)となります。企業内では、データが各部署で発生し流通します。重要なデータ(基幹データ)は「いつ、誰に、どこで、何を、なぜ」販売するかを明確にする必要があります。

ネットワークの発達に伴い、企業内部で集計したデータを他部署に渡す従来の形態から、生データを直接共有する形態へと変化しています。さらに、EDI(電子データ交換)などを通じて企業間でもデータの連携が進み、仮想的な組織として企業の枠を越えた情報共有が進むようになります。

2. ソフトウェア間の共通操作の理解

Windows環境では、特殊キー(Ctrl、Shift、Alt、Windowsキー)の共通操作が重要です。特にCtrlキーの活用(Ctrl+Cでコピー、Ctrl+Vで貼り付けなど)が多様なソフトウェア間で共通しています。また、Ctrlキーには不連続選択の機能があり、Shiftキーには連続選択の機能があります。これらの操作に慣れることで、異なるソフトウェアでも効率的に作業ができます。

3. ソフトウェア間のデータ連携

ソフトウェア間でデータを連携させる方法として、クリップボードを経由する方法(コピー&ペースト)、ドラッグ&ドロップによる直接のデータ移動、CSV形式でのファイル単位の連携があります。CSV形式は異なるシステムやOS間でも簡単にやり取りが可能で、EDIにも広く使われます。

EDIを推進するためには、CSV形式では事前に項目の順序や桁数を調整する必要があります。さらに進んだ連携としてAPIを利用したアプリ間の自動連携もあります。

4. XMLデータとその活用

XMLは文書の見栄えを記述するのではなく、論理構造をタグで示すことに特化したマークアップ言語です。論理構造とレイアウトが分離しているため、同じデータを異なる環境(スマホ、PC、タブレットなど)に柔軟に適用できます。

スタイルシート(XSL)を利用すると、XMLデータを多様な形態で表示できます。また、顧客から入力されたデータをXML形式で収集すれば、簡単にデータを活用できます。さらに、XMLを用いたEDIを導入すると、取引相手ごとに異なる伝票フォーマットの調整が不要となり、効率的な電子商取引が可能になります。

5. デジタルデータの保護

電子文書の保護方法として、パスワード設定とIRM(Information Rights Management)機能があります。

  • パスワード設定:ファイルを開く際にパスワードを求めることで、読み取りや書き込みを制限できます。電子メールで送付する際もパスワードを別送するなどの配慮が必要です。
  • IRM機能:文書の複製、印刷、配布を制限できます。許可された利用者以外はこれらの操作ができないため、機密情報が不用意に拡散するのを防ぎます。また、文書の有効期限設定も可能です。

企業内外での電子データの保護には、これらの手法が必須となってきます。

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