VLOOKUP関数がエラーを返す可能性がある場合の回避処理:IFERRORを使う

VLOOKUP関数がエラーを返す可能性がある場合の回避処理:IFERRORの組み合わせ

Excelは、データ分析や情報管理に欠かせないツールです。特に、大量のデータから特定の情報を探し出す時、VLOOKUP関数は非常に便利です。今回は、このVLOOKUP関数IFERROR関数を組み合わせて、データ検索をよりスムーズで読み取りやすい状態にする方法をご紹介します。

関数の基本:VLOOKUPとIFERROR

テーマ

VLOOKUP関数は、指定した値をもとに、表の別の位置にある関連する情報を抽出するための関数です。この関数は、データの検索や参照に頻繁に使用されます。

しかし、VLOOKUP関数だけでは、検索値が見つからない場合やエラーが発生した場合の対応が限られてしまいます。そこでIFERROR関数を併用し、エラーが発生した際の出力をコントロールします。

VLOOKUP関数の基本

VLOOKUP関数は、表や範囲から関連する値を検索し、その情報を返すExcel関数です。この関数の基本的な構文は以下の通りです。

=VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, [検索方法])

ここで、各引数は次の意味を持ちます:

  • 検索値:検索したい値を指定します。この値は、範囲の最初の列で検索されます。
  • 範囲:検索値が検索される範囲を指定します。これには、検索する値が含まれる列と、返す値が含まれる列の両方が含まれます。
  • 列番号:検索値に一致する行から返す値が含まれる列の番号を指定します。
  • [検索方法]:オプション。近似値検索か完全一致検索かを指定します。

IFERROR関数の基本

IFERROR関数は、式がエラーを返す場合に代わりの値を返します。これにより、エラーがユーザーに表示されるのを防ぎ、代わりにフレンドリーなメッセージや代替の値を提供することができます。この関数の基本的な構文は以下の通りです。

=IFERROR(値, エラーの場合の値)

ここで、各引数は次の意味を持ちます:

  • :エラーをチェックしたい式または値を指定します。
  • エラーの場合の値:式がエラーを返す場合に結果として表示する値を指定します。

状況の確認

ID名前年齢
101トム32
102アミ28
103ボブ45
104アン37

たとえば上記のような表がA1:C5へ入力されているとします。ここでIDを指定してその名前を表示させる計算式は以下のようになります。

=VLOOKUP([ID],A:C,2, FALSE)

IDが102の名前を表示させるなら以下の式ですね。「アミ」が返ります。

=VLOOKUP(102,A:C,2, FALSE)

IDが105ならどうでしょう。以下の式では「#N/A」が返ります。

=VLOOKUP(105,A:C,2, FALSE)

ここでエラー値「#N/A」が返りそうなシーンで別の値を表示させるためには上記の式をIFERROR関数で囲むことになります。

実践:VLOOKUPとIFERRORの組み合わせ

それでは、実際のデータを使って、これらの関数をどのように組み合わせるか見ていきましょう。セルE1とE2に以下のように入力しておきます。計算式はE3へ入力する予定です。

ID
102

計算式

以下の計算式を使用して、セルに入力されたIDに対応する名前を検索します。見つからない場合は「見つかりません」と表示します。計算式はE3へ入力してみましょう。

=IFERROR(VLOOKUP(E2, A:C, 2, FALSE), "見つかりません")

E2の値を「102」から「105」に変更すると「アミ」から「見つかりません」に計算結果が変わります。

手順

  1. 検索したいIDをE2セルに入力します。
  2. E3セルに上記の計算式を入力します。
  3. E2セルのIDが表に存在すれば、対応する名前がE3セルに表示されます。
  4. IDが存在しない場合、E3セルには「見つかりません」と表示されます。

まとめ

ExcelのVLOOKUP関数とIFERROR関数を組み合わせることで、データ検索を行いながらエラーハンドリングも同時に実現することができます。これにより、データが見つからない場合やエラーが発生した場合でも、状態を判別しやすくする出力を提供することが可能となります。

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