数珠順列の概要
数珠順列(Necklace Permutations)とは、円順列の一種で、順列を円形に並べたとき、始点や終点が特定できないため、どこから始めても良いという特徴があります。しかし、円順列とは異なり、数珠順列では向きを考慮しないため、回転による同一の順列は1つと数えます。
例: 3つの要素「A」「B」「C」を用いた数珠順列の場合
- ABC、BCA、CAB は同じ数珠順列としてカウント(回転による同一性)
- ACB、BAC、CBA も同じ数珠順列としてカウント(回転による同一性)
このように、3つの要素からなる数珠順列は実際には2つしかありません。
数珠順列の計算方法
数珠順列の総数は、通常の順列の総数を2で割ったものになります(半分)。つまりn個の要素からの数珠順列の総数は (n−1)!/2
になります。
要素の数が5ならば(5−1)!/2
で12パターンであることがわかります(4×3×2÷2)。
エクセルでの計算方法
エクセルで数珠順列の総数を計算するには、以下の式をセルに入力します。 ここで、n
は順列を生成する要素の数です。階乗はFACT関数で取り扱うことができます。
=FACT(n-1)/2
この式を使用すれば、指定した要素の数に基づいて数珠順列の総数を得ることができます。
=FACT(A1-1)/2
セルA1に要素の数が入力されていれば上記の式より数珠順列のパターン数が判明します。
数珠順列の使用シーン
数珠順列は、実際の応用シーンは少ないですが、以下は数珠順列が考慮されるかもしれない状況や使用例を示しています。
- ネックレスやブレスレットのデザイン: ネックレスやブレスレットは閉じたループの形をしているため、どこを始点としても良い。異なるビーズや宝石の配置パターンを考える際、同じデザインが回転によって得られる場合は1つのデザインとしてカウントする場面で数珠順列が利用される。
- 円形のテーブルの座席配置: あるイベントで円形のテーブルを使用する場合、どの席から始めてもよい座席配置のパターンを考えるときに数珠順列が役立つ。
- 分子の配向: 化学の分野で、特定の原子や基からなる分子が環状に構造を持っている場合、その分子の配向を考慮する必要がある。このとき、どの原子や基から見ても同じ配向とみなされる場合が数珠順列に相当する。
- 音楽のリズムやパターン: あるリズムやパターンが連続してループする音楽の場面で、そのリズムのバリエーションを考える際に、同じリズムが回転によって得られる場合は1つのパターンとしてカウントすることが考えられる。
- ゲームのパズルデザイン: あるタイルやピースを円形に配置するタイプのパズルゲームで、解のバリエーションを考える際に数珠順列が考慮される可能性がある。
これらの例は、回転による同一性を考慮する必要があるシーンで数珠順列の考え方が役立つ場面を示しています。
参考:数珠順列の生成プログラム
数珠順列の全パターンを生成するウェブツールを作成しました。全パターンを作りたい場合には以下のページをご利用ください。
数珠順列の全パターンを生成するツール
数珠順列の全パターンを生成するウェブツール n個の異なる要素を並べる際の、全順列パターンを生成します。このツールでは同じ値を複数回採用することがありません。逆順にした際、同じであるものは同一とみなします。数珠順列(Necklace Perm...
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