AVERAGE関数とAVERAGEA関数の違いと使い方
Microsoft Excelには多くの統計関数がありますが、その中でもAVERAGE関数とAVERAGEA関数は平均を求めるためのものです。しかし、これら二つの関数はどのように異なるのでしょうか。この記事では、それぞれの関数の特性と違いについて紹介します。
サンプルデータセット
以下のサンプルデータセットを使って違いを検討しましょう。
左上をセルA1とします。
C列には「=B列>=18」の論理式が設定されています(B列が18以上であるかの検査をしている)。
受診者番号 | 年齢 | 成人 |
---|---|---|
10001 | 36 | TRUE |
10002 | 不明 | TRUE |
10003 | 41 | TRUE |
10004 | 31 | TRUE |
10005 | 11 | FALSE |
10006 | 17 | FALSE |
10007 | 44 | TRUE |
10008 | 23 | TRUE |
10009 | 18 | TRUE |
10010 | 8 | FALSE |
10011 | 9 | FALSE |
10012 | 22 | TRUE |
10013 | 不明 | TRUE |
10014 | 29 | TRUE |
10015 | 20 | TRUE |
AVERAGE関数の説明
AVERAGE関数は指定したセル範囲の算術平均を計算します。この関数は数値だけを考慮し、論理値(TRUE/FALSE)や文字列は無視します。エラー値は無視されず、エラー値が含まれる場合は関数全体がエラーを返します。
=AVERAGE(B2:B16)
は約「23.77」となります。
年齢の総合計は「309」ですが、B列の数値セルは「13」個であり「309÷13」より約「23.77」となります。文字セル2個はないものとして取り扱われます(無視/スキップ)。
AVERAGEA関数の説明
AVERAGEA関数も指定したセル範囲の平均を計算しますが、数値だけでなく、論理値や文字列も考慮に入れます。具体的には、論理値のTRUEは1、FALSEは0として計算されます。また、文字列や空白のセルは0として扱われます。やはりエラー値は無視されず、エラー値が含まれる場合は関数全体がエラーを返します。
=AVERAGEA(B2:B16)
は「20.60」となります。
年齢の総合計は「309」ですが、B列の数値セルは「13」個であり文字セルは「2個」です。「309÷15」より「20.6」となります。文字セルは数値「0」として取り扱います。
=AVERAGEA(C2:C16)
は約「0.73」となります。AVERAGEA関数では「TRUE」を「1」、「FALSE」を「0」として計算されます。AVERAGE関数ではこれらは無視、スキップ対象です。
関数の違いとまとめ
したがって、AVERAGE関数とAVERAGEA関数の主な違いは、論理値や文字列の取り扱い方にあります。どちらの関数を使用するかは、求めたい結果や解析したいデータの特性によります。ただしどちらも空白セルは無視、スキップです。そして「エラー値は取り扱いができない」となります(エラーありのデータセットならばAGGREGATE関数を使う)。
- AVERAGE関数では「文字と論理値は無視」
- AVERAGE関数では「文字は0扱い」「論理値TRUEは1扱い」「論理値FALSEは0扱い」
となります。
AVERAGE関数とAVERAGEA関数はどちらもExcelで平均を計算するための関数ですが、論理値や文字列の取り扱い方が異なります。それぞれの関数が適しているシーンを理解し、適切に使い分けましょう。
また、エラーがあるデータセットで適切な平均値を求めるならばAGGREGATE関数の採用を検討してください。
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