引数に「論理式」を持つExcelの関数
Microsoft Excelでよく使われる論理関数のうち、引数に「論理式」を持つ「IF、IFS、AND、OR、NOT、XOR」について、それぞれの特徴と使い分けを紹介します。
論理式は「A1>10」のように特定の条件を満たすかを検査する式です。詳しくはリンク先を参照してください。
さて、これらの「論理式」を引数に持つ関数は、特定の条件を満たすかどうかに基づいて結果を返すためのもので、日々のデータ分析作業を効率的に行う上で非常に便利です。
1. IF関数
IF関数は最も基本的な論理関数で、指定した条件が真(TRUE)か偽(FALSE)かによって異なる値を返します。
書式:`=IF(論理式, [値が真の場合], [値が偽の場合])`
例……
=IF(A1>10, "Yes", "No")
` A1が10より大きければ”Yes”を返し、そうでなければ”No”を返します。
2. IFS関数
IFS関数は、複数の条件を順に評価し、最初に真となる論理式に対応する値を返します。
書式:`=IFS(論理式1, 結果1, 論理式2, 結果2, …)`
例……
=IFS(A1>10, "High", A1>5, "Medium", TRUE, "Low")
` A1の値に応じて”High”、”Medium”、”Low”のいずれかを返します。
3. AND関数
AND関数は、全ての論理式が真であれば真(TRUE)を返し、それ以外の場合は偽(FALSE)を返します。
書式:`=AND(論理式1, 論理式2, …)`
例……
=AND(A1>10, B1<5)
` A1が10より大きく、かつB1が5より小さい場合に真を返します。
4. OR関数
OR関数は、少なくとも一つの論理式が真であれば真(TRUE)を返し、それ以外の場合は偽(FALSE)を返します。
書式:`=OR(論理式1, 論理式2, …)`
例……
=OR(A1>10, B1<5)
` A1が10より大きいか、またはB1が5より小さい場合に真を返します。
5. NOT関数
NOT関数は、論理式の結果を反転させます。つまり、真(TRUE)を偽(FALSE)に、偽を真に変えます。
書式:`=NOT(論理式)`
例……
=NOT(A1>10)
` A1が10より大きい場合に偽を返し、それ以外の場合に真を返します。
6. XOR関数
XOR関数は、論理式の結果が奇数個の真であれば真(TRUE)を返し、それ以外(つまり偶数個の真または全て偽)の場合は偽(FALSE)を返します。
書式:`=XOR(論理式1, 論理式2, …)`
例……
=XOR(A1>10, B1<5)
` A1が10より大きいかつB1が5より小さい場合、またはA1が10以下かつB1が5以上の場合に真を返します。
以上が論理式を引数とするExcel関数の一部です。各関数の特性を理解し、状況に応じて適切な関数を使い分けることで、データ分析の効率と精度を向上させることが可能です。
番外.条件付き書式「数式を使用して、書式設定するセルを決定」
論理式は「条件付き書式」の「数式を使用して、書式設定するセルを決定」欄でも使用します。設定した論理式が「TRUE」を返すときに書式が適用されるようになります。
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