Excelでの特殊端数処理:CEILING.PRECISE, ISO.CEILING, FLOOR.PRECISE
Excelでは数値を特定の基準値で切り上げるか切り下げる処理が頻繁に行われます。この記事ではそのような端数処理の一部であるCEILING.PRECISE
関数、ISO.CEILING
関数、FLOOR.PRECISE
関数について解説します。
ただしここで解説する3関数は切り上げ切り下げの例外処理用途に用意されており「関数の挿入」の一覧にないため、キーボードから直接入力をする必要があります。
基本的な切り上げ切り下げ処理関数については「数値を特定の単位に切り上げ・切り下げする関数のリスト」の記事で確認してください。
CEILING.PRECISE関数
CEILING.PRECISE
関数は数値を最も近い、もしくはそれを超える整数に切り上げます。この関数の特徴は符号に関わらず常に上に切り上げられる点です。引数として数値を必要とし、基準値を省略した場合には1をデフォルトとして採用します。以下に例を示します:
=CEILING.PRECISE(-4.3)
上記の数式は-4を返します。負の数を引数に取るときにはCEILING.PRECISE関数は0の方向ではなく、数値の絶対値を大きくする方向に切り上げます。
ISO.CEILING関数
次にISO.CEILING
関数についてです。
ISO.CEILING
関数は、数値を最も近い、またはそれを超える整数に切り上げます。ただし、この関数は正の数値についてはCEILING.PRECISE
と同じですが、負の数についてはゼロに向かって切り上げます。以下に例を示します:
=ISO.CEILING(-4.3)
上記の数式は-4を返します。この数式は、最も近い整数である-4に切り上げ、そのため-4を返します。
FLOOR.PRECISE関数
最後にFLOOR.PRECISE
関数について説明します。FLOOR.PRECISE
関数は数値を最も近い、もしくはそれを下回る整数に切り下げます。FLOOR.PRECISE
関数も符号に関わらず常に下に切り下げられます。引数として数値を必要とし、基準値を省略した場合には1をデフォルトとして採用します。以下に例を示します:
=FLOOR.PRECISE(-4.3)
上記の数式は-5を返します。負の数を引数に取るときにはFLOOR.PRECISE関数も同様に、数値の絶対値を大きくする方向に切り下げます。
まとめ
これらの関数は、特定の基準値で切り上げるか切り下げることを必要とする金額や数量などの計算に使われます。また、負の数値に対する動作が通常のCEILING
関数やFLOOR
関数と異なるため、符号が混在するデータセットに対して使われることもあります。
基本的な切り上げ切り下げ処理の記事
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