PERCENTILE.INC と PERCENTILE.EXC 関数との違い
Excelの PERCENTILE.INC
と PERCENTILE.EXC
関数は、データセット内の指定したパーセンタイルの値を計算するために使用されますが、その計算方法に違いがあります。
PERCENTILE.INC
関数(”包含的”パーセンタイル): これは、データセット内の最小値を0パーセンタイル、最大値を100パーセンタイルとみなし、指定したパーセンタイルに対応する値を返します。これはいわゆる “包含的” メソッドで、全体の範囲を0から100までのパーセンタイルと見なします。PERCENTILE.EXC
関数(”排他的”パーセンタイル): これはデータセット内の最小値を1/(n+1)パーセンタイル、最大値をn/(n+1)パーセンタイルとみなし、指定したパーセンタイルに対応する値を返します。ここでnはデータセットの要素数です。これはいわゆる “排他的” メソッドで、最小値と最大値をそれぞれのパーセンタイル範囲から除外します。
それぞれの関数はデータ分布を理解する上で有用な情報を提供しますが、どちらを使用するかは特定の目的やデータの特性によるところが大きいです。
サンプルデータ
以下のサンプルリストをもとに「今月成約数」のパーセンタイルを考えます。「順位i,順位e」は参考データです。各人の成約数のパーセンタイルを表していますが、「PERCENTRANK.INC関数」「PERCENTRANK.EXC」関数を用いて算出しています(2桁までの算出)。
社員番号 | 氏名 | 部署 | 今月成約数 | 順位i | 順位e |
---|---|---|---|---|---|
1 | 中島 亮介 | 人事部 | 3 | 0.15 | 0.20 |
2 | 岡田 淳 | マーケティング部 | 8 | 0.46 | 0.46 |
3 | 橋本 明美 | 経理部 | 5 | 0.23 | 0.26 |
4 | 佐藤 花子 | 開発部 | 18 | 0.69 | 0.66 |
5 | 伊藤 直人 | 経理部 | 6 | 0.38 | 0.40 |
6 | 松本 舞 | 人事部 | 23 | 1.00 | 0.93 |
7 | 田中 健一 | マーケティング部 | 1 | 0.00 | 0.06 |
8 | 加藤 陽子 | 営業部 | 13 | 0.61 | 0.60 |
9 | 高橋 あすか | 経理部 | 21 | 0.92 | 0.86 |
10 | 斉藤 くみ子 | 営業部 | 1 | 0.00 | 0.06 |
11 | 長谷川 聡太郎 | マーケティング部 | 19 | 0.76 | 0.73 |
12 | 橋本 健一 | 人事部 | 8 | 0.46 | 0.46 |
13 | 小川 直子 | 営業部 | 19 | 0.76 | 0.73 |
14 | 山下 京助 | マーケティング部 | 5 | 0.23 | 0.26 |
次の各パーセンタイルに適合する成約数を求めます。
「PERCENTRANK.EXC」関数の範囲が0.06~0.93となったので、7%と93%も調査対象としました。
パーセンタイル | 値 |
---|---|
0.00% | ? |
7.00% | ? |
20.00% | ? |
40.00% | ? |
60.00% | ? |
80.00% | ? |
93.00% | ? |
100.00% | ? |
「値(i)」は「PERCENTILE.INC関数」を用いて「今月成約数」の各パーセンタイルに合う値を求めた結果です。「PERCENTRANK.INC関数」の処理と同様に「最小値~最大値」がそのまま「0%~100%」で処理されます。
「値(e)」は「PERCENTILE.EXC関数」を用いて「今月成約数」の各パーセンタイルに合う値を求めた結果です。「PERCENTRANK.EXC」関数の処理と同様に「最小値~最大値」が「1/(n+1)~n/(n+1)」で処理されます。従って0より大きい値~100%より小さい値の中で算出されます。
パーセンタイル | 値(i) | 値(e) |
---|---|---|
0.00% | 1.0 | #NUM! |
7.00% | 1.0 | 1.0 |
20.00% | 4.2 | 3.0 |
40.00% | 6.4 | 6.0 |
60.00% | 12.0 | 13.0 |
80.00% | 19.0 | 19.0 |
93.00% | 21.2 | 22.9 |
100.00% | 23.0 | #NUM! |
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