FILTER関数で「～を含まない」検索を実現する処理(2・複数のキーワード)

前回の記事では、FILTER関数によるデータ分析で、特定のキーワードを「～を含まない」レコードを抽出する方法を紹介いたしました。

【前回の記事】

ここでは「～」へ複数のキーワードを登録したい場合の設定方法をご紹介します。

サンプル表と完成例

以下の表よりFILTER関数を用いて「伊藤、を含まない」かつ「佐々木、を含まない」行を抽出することを検討します。

続けて抽出式の完成例を見てみましょう。詳しい説明は次節でおこないます。

=FILTER(A2:C6, NOT(ISNUMBER(SEARCH("伊藤", A2:A6))) * NOT(ISNUMBER(SEARCH("佐々木", A2:A6))), "レコードなし")

この式は、A2:A6の範囲に「伊藤」と「佐々木」のいずれも含まないレコードをA2:C6の範囲から抽出します。「レコードなし」というテキストは、条件に合致するレコードがない場合に表示されます。

「伊藤」「佐々木」という2つのキーワードを両方とも含まないレコードを抽出する場合、複数の条件を組み合わせる必要があります。まず「伊藤、を含まない」「佐々木、を含まない」条件式は以下になります。

NOT(ISNUMBER(SEARCH("伊藤", A2:A6)))

NOT(ISNUMBER(SEARCH("佐々木", A2:A6)))

2つの条件をAND結合するならば、それぞれを「*」演算子を使用して結合します。これをFILTER関数の「含む」欄に登録します。

NOT(ISNUMBER(SEARCH("伊藤", A2:A6)))*NOT(ISNUMBER(SEARCH("佐々木", A2:A6)))

この式では、「*」演算子を使用して、2つの条件をAND結合しています。

SEARCH関数は、「伊藤」または「佐々木」という文字列が各セルに含まれているかを検索し、見つかった場合はその位置を返します。含まれていない場合はエラーを返します。
ISNUMBER関数は、SEARCH関数から返される値が数値（位置情報）であるかどうかを確認します。これにより、検索文字列が含まれているかどうかを判定します。
NOT関数は、ISNUMBERの結果を反転させます。つまり、検索文字列が含まれていない場合にTRUE（真）を返し、含まれている場合にFALSE（偽）を返します。
最後に、「*」演算子を用いて、2つの条件の論理積（AND条件）を取ります。両方の条件がTRUE（検索文字列がどちらも含まれていない）の場合にのみ、結果がTRUEになります。