Excelで範囲から偶数行を取り出す計算式の使い方
Excelのデータ分析では、特定の条件に合ったデータ行を効率的に抽出することが重要です。この記事では、CHOOSEROWS関数とSEQUENCE関数を組み合わせて、指定された範囲から偶数行のみを取り出す方法について詳しく説明します。
CHOOSEROWSとSEQUENCE関数の基本
CHOOSEROWS関数の概要
CHOOSEROWS関数は、指定された範囲または配列から、特定の行を選択して返す機能を持ちます。この関数の基本的な書式は
=CHOOSEROWS(配列, 行番号1, [行番号2], ...)
です。ここで「配列」はデータを選択する元の範囲を指し、「行番号」は選択する行を指定します。複数の行を指定することも可能で、この関数は指定された行番号に基づいてデータを抽出します。
偶数行の抽出方法(データ範囲を自分で指定)
範囲がA2:E32だとして
=CHOOSEROWS(A2:E32,2,4,6,8,……)
のような計算式を作成すれば偶数レコードの取り出しが可能です。
ただし行番号をすべて指定するのは大変なので、次に紹介するSEQUENCE関数と組み合わせる予定です。
SEQUENCE関数の概要
SEQUENCE関数は、指定されたパラメータに基づいて数値のシーケンス（連続する数値のリスト）を生成します。この関数の基本的な書式は
=SEQUENCE(行数, [列数], [開始], [ステップ])
です。ここで「行数」は生成するシーケンスの行数、「列数」は列数、「開始」はシーケンスの開始値、「ステップ」は増加する値の間隔を指します。SEQUENCE関数は、繰り返しやループ処理を行う際に特に便利です。例えば以下のような計算式を作れば2から開始の2飛び数字、つまり偶数値を10個作成できます。
=SEQUENCE(10,1,2,2)
偶数行を取り出す計算式の解説(データ範囲考慮)
特定の範囲から偶数行のみを抽出するには、CHOOSEROWS関数とSEQUENCE関数を組み合わせた以下の計算式を使用します。式の意味は次のセクションを参照してください。
=CHOOSEROWS(範囲, SEQUENCE(ROWS(範囲)/2, 1, 2, 2))
範囲をA2:E32とするならば
=CHOOSEROWS(A2:E32,SEQUENCE(ROWS(A2:E32)/2,1,2,2))
となります。
上記の計算式の論理
この計算式では、SEQUENCE関数が2から始まり、2ごとに増える数値のシーケンスを生成します。ROWS関数は範囲内の行数を計算します。
ROWS(A2:E32): 範囲内の行数を計算します。この場合、31行です。SEQUENCE(ROWS(A2:E32)/2, 1, 2, 2): ここでSEQUENCE関数は偶数行のインデックスを生成します。
ROWS(A2:E32)/2は範囲内の行数の半分、つまり偶数行の数を計算します。- 第2引数の
1は数列の開始位置です。 - 第3引数の
2は数列の開始値です。これは2行目から始めたいことを意味します。 - 第4引数の
2はステップです。これは数列が2ごとに増加することを意味し、偶数行を意味します。
CHOOSEROWS(A2:E32, SEQUENCE(...)): 最終的にCHOOSEROWS関数が、指定された範囲からSEQUENCEによって生成された偶数行のインデックスに従って行を選択します。
テーブルを用いてデータ範囲を自動で拡張させる偶数行の取得式
さらに分析元を「テーブル」としておくと自動で範囲を拡張させる式にすることができます。式は次の通りです。
=CHOOSEROWS(テーブル名,SEQUENCE(ROWS(テーブル名)/2,1,2,2))
です。テーブル名を「テーブル海」にすれば以下の式になります。
=CHOOSEROWS(テーブル海,SEQUENCE(ROWS(テーブル海)/2,1,2,2))
テーブルの場合はレコード数を拡張すれば連れて範囲も自動拡張します。
まとめ
ExcelのCHOOSEROWS関数とSEQUENCE関数を組み合わせることで、範囲から偶数行のみを簡単かつ効率的に抽出することができます。この技術を活用して、データ分析をより柔軟に、効果的に行いましょう。
その他の特定行抽出
偶数行の取出し以外でも、計算式を加工すれば実現が可能です。以下にそれらの計算式を解説しているページを紹介します。
奇数行を取り出す計算式
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