FILTER関数の時刻型抽出

ExcelのFILTER関数は、特定の条件に基づいてデータを抽出する強力なツールです。ただ、時刻データの抽出は、特に注意が必要な場面の一つとなります。この記事では、FILTER関数を使って時刻型のデータを正確に抽出する方法について解説します。

時刻型フィールドがあるサンプルデータセットの確認

FILTER関数で時刻型のデータを抽出する際には、TIME関数やTIMEVALUE関数を使用して時刻を正しい形式に変換することが効果的です。

例えば、以下のようなデータセットがあるとします。このデータセットから、特定の時刻（例：15:45）のデータを抽出する手順を次に紹介します。

このデータセットから、特定の時刻（例：15:45）のデータを抽出するには、TIME関数と組み合わせて以下の計算式を使用します。

TIME関数は「TIME(時,分,秒)」の書式を用い、1つの時刻データを作成可能にします。

=FILTER(A2:E27, B2:B27=TIME(15,45,0))

もしくはTIMEVALUE関数と組み合わせて以下の計算式を使用します。TIMEVALUE関数は「TIMEVALUE(時刻文字列)」の書式を用い、時刻文字列を時刻型データとして適切に認識させます。

=FILTER(A2:E27, B2:B27=TIMEVALUE("15:45"))

また、以下は失敗例です。FILTER関数ではTIMEVALUE関数で囲まない時刻型文字列は認識されません。

=FILTER(A2:E27, B2:B27="15:45")

セル参照を使う場合には直接指定ができます。たとえばセルG2に「15:45」という時刻データが入力されているならば、以下のような指定ができます。非常に簡単な設定で完結します。

=FILTER(A2:E27,B2:B27=G2)

年・月・日が別々の場所に入力されていて、それらを参照するならばTIME関数を用いて適切に結合させる必要があります。たとえば「時情報がセルG2、分情報がセルG4、秒情報がセルG6」に入力されている場合に、対象のレコードを抽出する式は以下の通りになります。

=FILTER(A2:E27,B2:B27=TIME(G2,G4,G6))

時刻データを抽出する際には、時刻列が正しく時刻形式でフォーマットされていることを確認してください。セルのフォーマットが「一般」や「文字列」になっている場合、それを「時刻」に変更する必要があります。

FILTER関数を使った時刻型データの抽出は、適切な方法を理解することで簡単に行えます。時刻データを扱う際には、これらのポイントを念頭に置いて作業を進めてください。

「○時〇分～×時×分」のレコード抽出させることもできますが、式が複雑になります。そのような際は次の記事を参考にしてください。