FILTER関数での複数条件設定 (2) OR条件の設定方法

FILTER関数での複数条件設定 (2) OR条件の設定方法

前回はFILTER関数を使ったAND条件の設定方法について学びました。今回は、複数の条件のうち少なくとも一つを満たすデータを抽出する「OR条件」の設定方法に焦点を当てます。

OR条件の基本

OR条件では、設定された複数の条件のうち一つでも真であれば、データが抽出されます。Excelでは、これを実現するために条件式を加算(+、足し算)をすることで表現します。

条件式は第二引数である「含む」で設定します。

A2:F27のリストの中で「E列が1000以上、F列が103万以上」の「いずれかを満たす」抽出式は以下の通りとなります(OR条件)。下線部分が第二引数の「含む」欄です。条件式を括弧で囲み、それぞれを加算することでOR条件設定として認識させています。

=FILTER(A2:F27, (E2:E27>=1000) + (F2:F27>=1030000))

解説で使用するデータセット

さらにFILTER関数での複数条件設定(OR条件)の設定例を見てまいりましょう。

以下のデータセットを使用して、OR条件の設定方法を実践します。このデータセットには、イベントの開催日、会場、天気、気温、来客数、売上が含まれています。

開催日会場天気気温来客数売上
2020/04/09上野晴れ18.510801159000
2020/05/15品川曇り17.39301071000
2020/05/14品川晴れ20.711001046000
2020/04/30上野晴れ17.39701043000
2020/03/06上野曇り1510001011000
2020/05/07町田曇り17.89201002000
2020/04/03上野晴れ20.5980977000
2020/03/05上野晴れ17.6840967000
2020/04/16上野曇り15930920000
2020/04/23町田15.7830915000
2020/04/10品川晴れ19840878000
2020/05/08品川14.4790877000
2020/05/22町田曇り15.1970874000
2020/04/24品川17.3760845000
2020/05/21上野曇り15.5730824000
2020/03/13町田曇り17.4750808000
2020/03/26品川曇り15.6730804000
2020/03/19町田曇り16.3840773000
2020/05/29上野晴れ12.3730721000
2020/03/12上野晴れ19.9760698000
2020/05/28町田13.7760697000
2020/05/01上野13.1710694000
2020/04/17品川晴れ17.1720691000
2020/04/02町田14.8610628000
2020/03/20町田15.7560612000
2020/03/27品川曇り15.6590610000

FILTER関数での複数条件設定(OR条件):計算式の例

例1: 天気に基づくフィルタリング

天気が「曇り」または天気が「雨」のイベントを抽出します。

=FILTER(A2:F27, (C2:C27="曇り") + (C2:C27="雨"))

例2: 来客数または売上に基づくフィルタリング

来客数が1000人以上または売上が103万円以上のイベントを抽出します。

=FILTER(A2:F27, (E2:E27>=1000) + (F2:F27>=1030000))

ヒント・よくある間違いとまとめ

OR条件を設定する際には、加算(足し算)を使って条件を組み合わせることが重要です。また、条件が互いに排他的でないことを確認してください。

また各条件式を括弧で囲みます。

OR条件を使うことで、より柔軟なデータの絞り込みが可能になります。次の記事では、AND条件とOR条件を組み合わせた高度なフィルタリング方法について解説します。

 

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