1. FILTER関数の概要と基本的な構文
ExcelのFILTER関数は、指定された条件に一致するデータを効率的に抽出するための関数です。本記事では、日本語版のExcelを使用して説明します。
FILTER関数の基本的な構文は以下の通りです。
=FILTER(配列(抽出元の範囲), 含む(条件式), [空の場合(条件に合致しない場合の表示)])
それでは、各引数について説明します。
- 配列(抽出元の範囲): データを抽出する元のセル範囲を指定します。
- 含む(条件式): 抽出するデータの条件を指定します。条件が真の場合にデータが抽出されます。
- 空の場合(条件に合致しない場合の表示)(省略可能): 条件に一致するデータが存在しない場合に表示する値を指定します。省略した場合は、#N/Aエラーが表示されます。
2. FILTER関数を使った単純なデータ抽出例
ここでは、以下のような売上データがあると仮定して、FILTER関数を使ってデータを抽出してみましょう。
日付 | 商品名 | 売上金額 |
---|---|---|
2023/1/1 | 商品A | 1000 |
2023/1/2 | 商品B | 2000 |
2023/1/3 | 商品A | 1500 |
例えば、「商品A」のみのデータを抽出したい場合、以下のようにFILTER関数を使用します。
=FILTER(A2:C4, B2:B4="商品A", "該当データなし")
この式を実行すると、次のような結果が得られます(項目名は表示されない)。
日付 | 商品名 | 売上金額 |
---|---|---|
2023/1/1 | 商品A | 1000 |
2023/1/3 | 商品A | 1500 |
このように、FILTER関数を使って簡単に条件に一致するデータを抽出することができます。
3. FILTER関数の使用時の注意点とエラー処理
FILTER関数を使用する際には、いくつかの注意点があります。
- FILTER関数は、条件に一致するデータがない場合に#N/Aエラーを返します。エラーを回避するためには、第3引数に条件に合致しない場合の表示を指定します。
- FILTER関数の結果が、複数の行や列にまたがる場合、結果を表示するセル範囲に余裕を持たせておくことが重要です。表示領域が足りない場合、#SPILL!エラーが発生します。
たとえば、条件に一致するデータがない場合に「該当データなし」と表示するようにするには、以下のようにFILTER関数を使います。
=FILTER(A2:C4, B2:B4="商品C", "該当データなし")
この例では、「商品C」のデータは存在しないため、”該当データなし” と表示されます。
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