2023年末時点で使えるExcel 365 のスピル配列関数を紹介(1)【データ生成・変換編】

2023年末時点で使えるExcel 365 のスピル配列関数を紹介(1)【データ生成・変換編】

Excel 365には、データを生成し、変換するための便利なスピル配列関数がいくつかあります。

スピル配列関数とは、一つの関数から複数のセルにわたる結果(配列)を自動的に「スピル(展開)」する機能を持つ関数のことです。つまり式の結果が複数のセルへ表示される関数・計算式となります。この機能により、関数の結果が隣接するセルに自動的に拡張され、複数のデータを瞬時に計算して表示することができます。

例えば下図のSEQUENCE関数ではセルA1へしか式を設定していませんが、A1:E3に結果が表示されています。

このスピル配列式では3行5列で10から始まる2飛びの連続番号を生成している。

これらのスピル配列関数は、データの操作と分析を簡単かつ効率的に行うために非常に役立ちます。今回は2023年末の時点でリリースされているExcel 365用のスピル配列関数を紹介します。

初回は【データ生成・変換編】です。各関数の詳しい説明はリンク先を参照してください。

SEQUENCE関数:数値シーケンス(連続データ)の生成

SEQUENCE関数は、指定された数だけの連続する数値・シーケンスを生成する関数です。データ分析や計算に必要な数値のリストを簡単に作成することができます。

RANDARRAY関数:ランダムな数値の配列生成

RANDARRAY関数は、ランダムな数値を含む配列を生成します。シミュレーションや統計分析に役立つランダムなデータセットが必要な場合に便利です。

3行5列、1~100の整数の乱数を生成している

TOROW関数:配列を一行に変換

TOROW関数は、指定された配列または範囲を一行に変換します。これにより、データを一行に整理し、視覚的に分かりやすくすることができます。

A3:E5の領域を1行に変換している

TOCOL関数:配列を一列に変換

TOCOL関数は、指定された配列または範囲を一列に変換します。データを一れうに整理することで、分析や比較がしやすくなります。

C1:G3の領域を1列に変換している

WRAPROWS関数:指定数ごとに配列を行で折り返し

WRAPROWS関数は、1次元配列(行か列でならんだデータ)を上から並べ、指定された数ごとに配列をラップ(折り返し)し、行を変えます。これにより、大きな1次元配列を見やすいサイズに分割できます。

A1:L1のデータを上から並べ、5セル単位で折り返して並べている

WRAPCOLS関数:指定数ごとに配列を列で折り返し

WRAPCOLS関数は、1次元配列(行か列でならんだデータ)を左から並べ、指定された数ごとに配列をラップ(折り返し)し、列を変えます。これにより、大きな1次元配列を見やすいサイズに分割できます。

A1:L1のデータを左から展開し、5セル単位で折り返している

まとめ

これらのデータ生成・変換関数を活用することで、データの操作と分析がより簡単かつ効率的になります。Excelでデータを扱う際に、これらの関数をぜひ活用してください。

 

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